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みかんの栽培地の北限はどこ?

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みかんの栽培地の北限はどこ?

親戚が農業を引退するというので、うちの圃場とは少し離れていますが、その農地を借りることにしました。

どうせなら、観光農園をはじめられないかと考えており、みかん狩りができる農園を作ろうと考えているのですが、問題は気候です。

新たに借りる農地は北国なので冬には雪が積もり、寒さも厳しいです。

しかし、近くにみかん狩りをやっている観光農園はなく、もしみかんを栽培できれば、レジャーとして需要があるのではないかと考えています。

そこで、みかん栽培の北限について、詳しく教えてもらいたいです。

前田隆昭

南九州大学 環境園芸学部 環境園芸学科 教授

地球温暖化の影響で佐渡島がみかんの北限と言われており、今後はより北上していく可能性があります

みかんの北限


みかんの北限はさまざまな説がありますが、近年の地球温暖化の影響で新潟県の佐渡島が北限とされています。

都道府県別の収穫量ランキング(令和4年産 農水省調査)では、和歌山県が22%、愛媛県が16%、静岡県が15%、熊本県が11%、長崎県が6%となっており、この5県で日本全国の収穫量の7割を占めています。

みかんは比較的温暖な南の地域で栽培されている傾向で、日本の中でも全ての地域で栽培されているわけではありません。


みかん栽培に適した環境


みかんは柑橘系の中でも、比較的寒さに強いという特徴を持ちます。

栽培に適した環境は、年間平均気温度は15度以上が必要で、冬の最低気温はマイナス5度以下にならないことが望ましいです。

安定した収量と品質の良いみかんを栽培するには、年間を通して安定した気候の環境が適していると言えるでしょう。

寒さに強い果樹とは言っても、極端に気温の低い地域では、低温の影響による被害の懸念があります。

みかんの樹はマイナス8度より低い環境に3時間以上遭遇すると、落葉や枝の枯れ込みが生じ、最悪枯死に至る可能性があります。

そのため、日本でも積雪が多く、冬の気温が極端に低い地域では栽培しにくく、温暖な地域での栽培が盛んとなっています。

みかん栽培の適地についてはこちらをご覧ください
みかん栽培の適地って?どんな場所だと適しているの?



みかんの栽培適地は北上している


みかんの北限は、現在、新潟県と言われていますが、過去には福井県が最北限とも言われていました。

みかんの北限は、地球温暖化の影響もあり、北上していることがわかります。

地球温暖化の影響や施設栽培の技術が向上したことにより、現在は日本でも徐々に北の地域で栽培が始まっている傾向です。

今後も栽培適地はどんどん北上していくと考えられています。

このお悩みの監修者

前田隆昭

南九州大学 環境園芸学部 環境園芸学科 教授

琉球大学農学部を卒業後、和歌山県庁に入庁して農業改良普及所の技師や、果樹試験場の研究員などを歴任し、2009年退職。同年、農業生産法人「有限会社神内ファーム21」に入社し、南方系果樹の研究を経て、2015年から南九州大学環境園芸部果樹園芸学研究室の講師に。2021年同大学・短期大学の学長に。2022年5月、学長退任後も教授として引き続き学生を指導する。

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