レモンを栽培する際の肥料や施肥のタイミングについて詳しく教えて

レモン栽培の肥料は有機質肥料が最適！年5回を目安にあたえましょう

レモン栽培に最適な肥料について

地植えのレモンの栽培に最適な肥料は、有機質肥料に分類される「鶏糞」や「油かす」になります。

油かすを施用するなら、窒素4%・リン酸7%・カリウム1%の配合（油かすの種類によって配合割合は異なります）となり、化成肥料の1.5～2倍くらいの量を施しましょう。

一方、鶏糞を散布するなら、窒素4%・リン酸3%・カリウム2%の配合になります。化成肥料の2倍ほどの量を施しましょう。

特に鶏糞は速効性が高いので、元肥ではなく、お礼肥として施用するのが最適です。

レモン栽培肥料に含まれる要素について

レモンの栽培における目的次第では、肥料の配合の割合を調整する必要があります。

なぜなら、肥料の三大要素である窒素・リン酸・カリウムは、役割が異なるからです。各成分の役割は以下の通りになります。

窒素：葉と茎を大きく育てる
リン酸 ：花を育て、花つきを良くする
カリウム：丈夫な茎と根を作り出す・免疫力の向上・果実を大きく育てる

有機質肥料は天然物であるため、成分が不安定であるデメリットがあります。

また、微生物に分解されてから作物が吸収するため、効果を発揮するまでに時間がかかります。

しかし、持続性が高いことから長期間施肥が必要なレモンに最適な肥料といえます。

レモン栽培の肥料を与えるタイミング

地植えのレモンには、3月、5月、7月、9月、10～11月の年5回肥料を与えます。また、肥料を与える量は、レモンの枝の広がり具合で異なります。

なぜならば、肥料は幹の部分にだけ与えればよいわけではなく、枝が広がっている範囲まで与えなければならないからです。つまり、枝が広がっている範囲まで根が伸びているということです。

与える肥料の量については、以下の表を参考にしてください。
※窒素(N)：リン酸(P)：カリウム(K)の割合が8：8：8のような同率に含まれる肥料の場合

樹幹直径(m)	2月：元肥(g)	5月：枝肥(g)	7月・9月：実肥(g)	11月：お礼肥(g)
0.2	60	6	6	12
0.5	200	20	20	40
1	300	30	30	60
2	1000	100	100	200
4	5000	500	500	1000

また注意点として、有機質肥料のにおいに鳥などが近づいてきて、土を荒らす可能性があります。

有機質肥料を散布する場合は、土と混ぜ合わせて与えましょう（ただし、レモンの根を切らないように注意して、表面の土を軽く混ぜましょう）。

与える肥料の量については、「来年の収穫に備えて、秋冬こそチャンス到来！果樹の肥料計画を学ぼう」も参考にしてみてください。

レモンの栽培時に肥料過多で現れる症状

レモンが多くの肥料を必要とする作物とはいえ、必要以上に肥料を与えるのは避けましょう。

なぜなら、肥料を与え過ぎた場合、肥料焼けしてしまうからです。

一度にたくさんの肥料を与えてしまうと、土中の肥料濃度が高くなりすぎ、レモンの根を傷めます。

肥料のやりすぎにより肥料やけがひどい場合には、枯れてしまうこともあるので注意しましょう。

肥料焼けの対処法は、通常より多くの水を与えることです。5日間くらい続けてから様子を見ます。肥料の排出を土の外に促進して、肥料の濃度を薄めましょう。

レモンの栽培時に肥料切れで現れる症状

レモンは、肥料切れを起こすと栄養不足になり結実しません。

加えて、葉の色が黄色くなり落葉してしまいます。

栄養不足による落葉は、変色のスピードが早く、枚数も多いです。明らかに落葉する枚数が通常より多いため、見分けがつきやすいでしょう。

葉が黄色くなる原因は、窒素が不足しているからです。また、葉の葉脈だけが緑色で葉脈と葉脈の間が黄色くなる場合は、マンガンなどの微量要素が不足しています。同時に、土がアルカリ性に傾いていることも考えられます。

対処法としては、即効性がある葉面散布が有効です。

特に、葉面散布は根からの吸収より速効性があるため液体肥料を、薄めて散布しましょう（使用する液体肥料によって希釈濃度は異なるため、皆様方が使用される液体肥料の使い方を良く確認して下さい。また、濃い濃度で散布するより、薄い濃度で散布回数を多くした方が効果的です）。

葉が黄色くなった場合は、窒素分の割合が高い液体肥料、葉脈と葉脈の間が黄色くなった場合は、微量要素の含んだ液体肥料を用いると良いでしょう。