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国内でのマンゴーの露地栽培の北限はどこですか?

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国内でのマンゴーの露地栽培の北限はどこですか?

瀬戸内地方で果樹園を営んでいます。

新しく圃場を借りることになったので、育てたことはありませんが、マンゴーを栽培してみたいと考えています。

マンゴーといえば沖縄や宮崎が有名ですが、もしうちの地域での育てられるなら、直売所や道の駅で人気になるのではないかと考えています。

そのため、栽培可能な地域の北限が知りたいです。

もし栽培が可能であれば、まずは実験的に栽培をはじめてみたいと考えています。

四国や本州では、熱帯フルーツであるマンゴーの栽培は難しいのでしょうか?

橋本純子

株式会社アンファーム 栽培担当

マンゴーの露地栽培の北限は沖縄ですが、本土でも加温施設で収穫可能

マンゴーの原産地は熱帯地域


諸説ありますが、マンゴーの原産地はインドからマレー半島にかけての熱帯地域とされています。

日本へは明治時代に伝来。国内では1980年代以降栽培技術が確立され本格的に栽培されるようになりました。

マンゴーは種から育てると実がなるまでに6年以上かかりますが、接ぎ木苗からであれば1~2年で成木になり、3年目には収穫できる場合が多いです。


マンゴー栽培に適した温度帯


マンゴーは熱帯から亜熱帯の気候を好みます。

最適な温度帯は20~30℃で、果実の生育期には22~23℃以上が必要です。

冬場でも最低限「10℃以上」を確保し、霜が降りるような寒い気候は避けなければなりません。

10℃を下回ると樹体が弱ってしまいます。

日本では沖縄以外はこの温度を冬場に自然に確保することは難しいので、九州以北では必然的にハウスでの栽培となります。

したがって「マンゴーの露地栽培での北限は沖縄県」です。


日本でのマンゴー栽培の現状


国内の主要産地は沖縄・宮崎・鹿児島で、この3県だけで全国シェアの9割を占めます。

国内で栽培されているマンゴーは「アーウィン種」がメインです。

1位は沖縄県で、国内マンゴーの約半数は沖縄県産です。

2位が宮崎県で、豊かな日照とハウス栽培の技術により、「太陽のタマゴ」というブランド名で市場で高い評価を受けています。

3位は鹿児島県で、与論や奄美など離島だけでなく、本土でも栽培が盛んになっています。

基本的に、ハウス栽培であれば北海道でも日本中どこでも栽培できます。弊社も瀬戸内にありますが、加温ハウスでマンゴーを栽培しています。

ハウスで栽培するメリットは、加温時期・温度を調整すればマンゴーをいつでも収穫できることです。


設備投資に見合う事業計画が重要


ハウスでの加温栽培となるため、施設整備や装置の導入・稼働に、それなりの規模のコストがかかります。

ただ単にボイラーを設置し加温するだけでなく、ビニール被覆を何重にするかの設備について、収穫時期をどの時期に設定し栽培するか、販売の時期を他産地と差別化するか、どの客層をターゲットにするか等々、計画も必要になります。

確かに真冬に収穫すれば他では販売されていない時期なので、高価格で販売できるかもしれません。

しかしながら、国内で栽培されるアーウィン種については10℃程度の寒さに当て、花芽分裂させる必要があるので、真夏に冷房も必要になったりします。

また北海道でも実際にハウスで栽培をされていますが、ビニール被覆を5重にされているとお聞きしています。

ビニール被覆の数が多ければ多いほど、ハウス内温度の調整も手間がかかります。

自動巻き上げ機の導入なども必要になってくると思います。

因みに、弊社では自動巻き上げ機と手動巻き上げの両方があります。

これらの燃料代・設備費・人件費などを考えると、販路の計画を綿密に立てなければいけません。

ちなみに弊社は「讃岐おとひめ」というブランド名を付けて販売しています。販売も自社の直売店(カフェ併設)で行っています。

マンゴーの場合は栽培技術を知っておくのと同時に、設備投資等々のコストを回収するための事業計画を立てることが重要だと思います。

規格外品をどうするかも計画に入れなければならないと思います。

全てが生果として販売出来れば一番良いのですが、なかなかそうはいきません。

弊社ではジャム、ドライフルーツ、かき氷、アイスクリームなどの加工品にし、規格外品も全て商品となるよう使用しています。

良い品質のものを育てる栽培技術だけでなく、栽培コストに見合った販売価格・販売方法や加工方法なども考えられると良いと思います。

高価格のものだけに、結構ハードル高いですよね。

がんばってチャレンジしてみてください!

このお悩みの監修者

橋本純子

株式会社アンファーム 栽培担当

前職で仕事に役立てるためにAICに通ったことがきっかけで就農を志す。研修先の香 川県三豊市でアンファーム社長、安藤数義氏と出会い2016年株式会社「アンファー ム」に入社。アボカド産地化に日々奮闘中。アボカドの栽培を通じて地域と農業の魅力発信を行っている。

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