青枯病の対策に微生物資材は効果がありますか?

微生物資材は青枯病の発症・蔓延予防効果が期待されますが、その効果は不安定です

微生物資材とは

微生物資材とは、ある特定の効果を持つ微生物が含まれる資材です。植物の生育向上や健康の維持を目的として土壌にまきます。

微生物資材は主に肥料効果を持つ資材、植物の病気抑制効果を持つ資材、その他の効果を持つ資材に分けられます。

日本で唯一効果にお墨付きがついているのは「VA菌根菌資材」のみで、他の市販されている微生物資材は、微生物自体の効果が保証されていない「土壌改良資材」に分類されています。

青枯病に対する微生物資材の効果

青枯病の病原菌は細菌で、水の流れによって蔓延していきます。

根についた傷口から侵入するケースが多く、一箇所で発生すると畑全体の作物に蔓延してしまう恐れのある病気です。

そこで、土壌に微生物資材を加えることで、土壌微生物のバランスや微生物の数自体を増やすことで、土壌に青枯病菌が定着しにくくなり青枯病の蔓延を防ぎます。

また微生物の一部が作物に感染することで、病原菌が感染しにくくなる効果もあります。

微生物資材を活用する際の注意点

微生物資材の効果はある特定の条件でしか証明されていません。

したがって、青枯病菌に対する効果をうたっている資材でも、全ての農場で効果を発揮することは大変難しいと言えます。

特に土壌の物理性や化学性、生物性、気象条件などによって大きく影響を受けます。

このように「微生物資材とは非常に効果が不安定な資材である」ということを念頭に置いたうえで、使用の判断を行ってください。

そのため、微生物資材を活用する際は、予め実際に使用する予定の畑や現場で実験を行いましょう。

微生物資材をまいた場所と、まいていない場所を比較して効果を確かめることが重要です。

微生物資材の種類によっても効果が変わり、適した微生物資材を使用しないと、作物に悪い影響を与える恐れもあります。

一度実験を行ない、効果が確認できてから圃場全体に使用しましょう。

微生物資材は青枯病を治すためでなく、蔓延を食い止めるもの

微生物資材には殺菌効果はなく、あくまでも土壌の微生物のバランスを整えるのに使われます。

そのため、すでに畑内で青枯病が蔓延している場合、後から微生物資材をまいたところで効果はありません。

微生物資材は、青枯病菌を治療をするものではなく、発生・蔓延防止を期待して活用されます。

ただし、農薬のような切れ味はなく、効果は非常に不安定であるということを認識しておいてください。

青枯病がすでに出ていると感じた場合は、すぐに診断をして早急な対処を行っておきましょう。

青枯病になってしまった場合の対処法についてはこちらをご覧ください
「青枯病になった株はどう対策すれば良いですか？」