アミノ酸が青枯病対策に効果的な理由を知りたい

アミノ酸に殺菌効果はありませんが、ヒスチジンには作物本来の抵抗性を高める効果があるかもしれません。あくまで実験室レベルの話で、実用化はまだされていません

アミノ酸肥料が青枯病対策につながるという根拠

農研機構（国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構）の生物機能利用研究部門及び中央農業研究センターの研究によると、アミノ酸の一種である「L-ヒスチジン」をトマトに投与した結果、青枯病の発生を抑えられた、という研究結果が発表されました。

この研究から、L-ヒスチジンには植物が持つ病害抵抗性を上げる効果があることが確認でき、結果として発病を抑えることへと繋がる新たな対策の一つとして研究が進められています。

このように「アミノ酸がトマトの青枯病発症の対策につながる」という説を裏付ける有力な研究結果となったことは事実です。

この研究はあくまで実験室内で行われた小規模な実験結果です。実際の圃場でこのような効果が再現できるかは不明です。

圃場の条件次第では青枯病を抑える効果が見られるかもしれませんが、その条件は極めて限定的であると考えられます。

気をつけなくてはならないのは、「アミノ酸事態に青枯病菌を直接殺菌する効果はない」という点です。

混同しないよう、注意が必要です。

青枯病対策にアミノ酸肥料が効果的な理由

農作物がアミノ酸を摂取すると、作物本来の抵抗性が高まるという研究結果もあります。

抵抗力が上がり、細菌性の病気にかかりにくくなるので、結果として青枯病対策に結びつくかもしれないと考えられます。

ただし、アミノ酸には青枯病菌の直接的な防除効果や殺菌効果はないので、用途の目的をしっかりと理解して使いましょう。

植物は養分として土壌中のアミノ酸を吸うこともできます。

しかし、その割合はあまり高くないので、アミノ酸肥料の肥料効果を期待するのであれば化学肥料を用いたほうが効果は高いでしょう。アミノ酸肥料は、植物の活性を上げるためのバイオスティミュラント資材として売られていることがほとんどです。

しかしその効果は非常に不安定なので、ご自身の圃場での効果は確認したほうが良いでしょう。

青枯病対策でアミノ酸肥料を使う際の注意点

青枯病対策でアミノ酸肥料を使う際は、次の点に注意しなくてはいけません。

・あくまで実験室内でのみ認められた結果であり、実際の畑での効果は不明瞭
・殺菌効果はないので、他の対策も並行して行う必要がある

あくまで、実験段階の結果だということを念頭に置いた上で、自己責任でアミノ酸肥料の利用をお願いします。

また、アミノ酸自体に殺菌効果はないので、青枯病菌を死滅させることはできません。予防にはなっても、すでに青枯病が発生した場合の対策にはなりません。

すでに発生している場合は土壌消毒や熱処理といった、一般的な青枯病対策を早急に行う必要があります。このときアミノ酸肥料を施用する必要性は低いです。

青枯病対策の土壌消毒や熱処理についてはこちらをご覧ください
「野菜が青枯病になってしまいました。土壌消毒をしたいので方法を教えてください！」
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