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アスパラガスを栽培するための土づくりのポイントは?

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アスパラガスを栽培するための土づくりのポイントは?

露地栽培でアスパラガスを育てて5年目の農家です。

アスパラガスは同じ畑で何年も育てられるので、株を植え付ける前の土づくりやその後の追肥などが大切だと思います。

現在も試行錯誤しながら育てていますが、元気な株を育てたり、収量をあげるための土づくりのポイントを押さえておきたいです。

アスパラガス栽培の土づくりはどんなことに注意すべきなのでしょうか?

前田隆昭

南九州大学 環境園芸学部 環境園芸学科 教授

アスパラガス栽培では圃場条件に見合った土づくりとともに、施肥や養成茎の管理の仕方も検証しましょう

アスパラガス栽培に適した土壌条件


アスパラガスは多年生の宿根植物(長年地中に根が残り、根で増える植物)で、定植後は本格的な土壌改良が難しくなるため、事前にしっかりと土作りを行うことが大切です。

アスパラガスは、よく育つ畑では5~6年くらいで成長のピークに達し、以後10~15年ほどは収量が維持されます。

それでも、成長のピーク後は少しずつ収量低下や品質低下に加え、生育不良の株や欠株を生じてきます。

同じ株で良質なアスパラガスを一定収量確保できるのは10数年ほどといわれています。

成長のピークを迎える前からアスパラガスの収量低下が生じている場合、畑の土壌条件か土づくりに問題があるかもしれません。

アスパラガスは耕土が深く、肥沃(栄養分の豊富)な畑で育てる必要があります。

また、湿害に弱いため、排水のよい畑が適しています。

そのため、もし排水性に問題がある場合には、土づくり(土壌改良)において改善することが重要です。

また、畑に明渠(排水溝)がない場合は、早急に掘り排水性の改善を行いましょう。

反対に、乾燥しやすかったり、耕土が浅い畑では、地下部分が乾燥害や凍害などを受けやすくなります。

夏場や冬場などに、完熟した堆肥(敷きわらやもみ殻)などでウネ面を覆って対策しましょう。

また、アスパラガスの収穫後には、畝と畝の間の通路部分に堆肥や有機質資材(もみ殻や稲わら、落ち葉など)を与え、中耕(ウネ間を浅く耕す)して、養分補給を行う必要があります。

さらに、畝にも培土(土を寄せて盛る)を行い、アスパラガスの地下茎先端にできる鱗芽群(若茎が伸びてくるところ)周辺の土壌環境を良くしましょう。

鶏糞を使用した土づくりや失敗しない方法についてはこちらをご覧ください
アスパラガス栽培に鶏糞を使うと、どんな効果がありますか?
アスパラガスの栽培をはじめようと考えています。初心者が注意すべきポイントは?

このお悩みの監修者

前田隆昭

南九州大学 環境園芸学部 環境園芸学科 教授

琉球大学農学部を卒業後、和歌山県庁に入庁して農業改良普及所の技師や、果樹試験場の研究員などを歴任し、2009年退職。同年、農業生産法人「有限会社神内ファーム21」に入社し、南方系果樹の研究を経て、2015年から南九州大学環境園芸部果樹園芸学研究室の講師に。2021年同大学・短期大学の学長に。2022年5月、学長退任後も教授として引き続き学生を指導する。

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