新潟県で水稲と野菜を育てています。
うちの地域では後継者不足が深刻で、危機感を抱いている農家が多くいます。
動きが早い人は、集落営農や農事組合法人などを組織して、協力し合いながら取り組んでいるようです。
私も集落営農や農事組合法人に興味はあるのですが、まだまだ勉強が足らないと二の足を踏んでしまいます。
そんな時、テレビで「労働者協同組合法」が施行されたというのを目にしました。
この「労働者協同組合法」とは、農業法人とどのような違いがあるのでしょうか?制度について教えてください。
(新潟県・吉澤さん/仮名・50代)
中村雅和
いのしし社会保険労務士事務所所長/農業労災事務センター常務理事/社会保険労務士
労働者協同組合は労働者と経営者の良いとこ取りのような組織です
人は働いて収入を得て生活します。その「働く」ですが、現在は雇われて働く「労働者」か、自分で起業して働く「経営者」か、に大きく二分されます。
経営者は自分で方針を決めて働き、その成果をすべて自分のものにすることが、"原理的"には可能です。
さらに言うと、経営者は失敗の責任もすべて自分に帰属するので、人生において大きなリスクを背負いながらプレッシャーのなかで働きます。
一方、労働者は経営者に雇われ、経営者の方針のもとに働くことしかできないので、自分のやりたいことができるとは限らず、またその成果をすべて自分のものにはできません。
しかし経営に対するリスクは負わないので、失敗しても、最悪の場合、解雇されるだけで、会社の負債などを負う責任はありません。
新しい仕組みである「労働者協同組合」は、労働者が出資して組合を作り、組合員となって全員で話し合って方針を決め、その方針のもとに組合が組合員を雇って働く、という労働者と経営者の良いとこ取りのような組織です。
メリットですが、自分たちで作った組合に、自分たちが雇われて働く、という形なので、会社に雇われるよりもやりがいがあること、組合で負債を負った場合でも、役員以外の組合員については、責任が出資金の範囲内に限定されること(役員は不法行為責任による損害賠償責任を負います)、労働者として労働関係の法律に守られること、一方で出資した組合員でもあるので、組合に剰余金が出た場合は、従事した分量に応じた配当が得られることなどがあります。
さらに言えば、農業法人(農事組合法人)は農業に関係する事業しかできませんが、労働者協同組合は労働者派遣事業以外の事業をすべて行うことができますので、事業の自由度が高いと考えられます。
例えばいわゆる6次化で、食料品製造業や直売所などの小売業を行う場合に、個々の農家が集まって労働者協同組合を設立する、などが想定されます。
一方で、組合の方針を決定する場合、組合員は出資の比率に関係なく、1人1票で決められます。また組合員の5分の4以上は事業に従事しなければならないこと、組合の事業に従事する者の4分の3以上は組合員であること、などの人数要件があります。
なお、労働者協同組合の非営利性が高まれば「特定協同組合」となって税法上の優遇措置を受けることができますが、農事組合法人(従事分量配当型)ほどの有利性はないようです。
私見ですが、この制度は労働者の協働が目的で、労働者の相互扶助が眼目なのではないか?と思います。そのため、農家さんが制度を使うこともまったく問題ないのですが、協働意識、相互扶助意識が必要となると考えております。
はち
初めましてこんにちは、
東京で小さなお米屋さんをしているものです。
現在は仲介業者を通してお米を販売しています。
販売実績としましては地元、小学校や中学校の給食や近隣住民へお米へお届けしています。
また新しく他学校への仕入れが決まり、お米の仕入れ値を見直してあるのが現状です。
近年お米の価格が上がっている事から仲介業者を通さず、直接お米の生産者さんと、やり取りが出来ればと思い、連絡を取らせていた抱きました。