父と共に季節の野菜やブルーベリーなどを手掛けています。現在、小規模ですが、ホワイトアスパラガスを育てています。
きっかけは、レストランを経営している友人から「地元のホワイトアスパラガスを使ったメニューを作りたい」という依頼があったからです。
アスパラガスは手間がかかるので、3年目になって満足のいくものが収穫できるようになってきたところです。
多少の変動はありますが、収穫の時期は5〜6月で、露地栽培で盛り土をする培土法で育てています。
オーナーシェフの友人は熱心に畑のようすを見に来てくれるので、協力し合って手間暇かけながら作っています。
有機土壌を2メートルほど掘って、ふかふかの状態にしてから苗を植え付けて育てており、盛り土の高さも1.5メートル以上にしています。
先日、その友人から「もう少し収穫を増やすことはできないの?秋にもできるって聞いたんだけど」と相談されました。
どうやらシェフ仲間から「秋にもホワイトアスパラガスが採れる」と聞いたらしいのです。
ホワイトアスパラガスの収穫時期は地域によって違うし、ハウスか露地かでも異なります。
相談されるまで年に2回も露地栽培で収穫することは考えておりませんでしたが、何かいい方法はあるのでしょうか?
余っている小さなハウスがあるので、それを使って挑戦することも可能だとは思っているのですが…。
(東京都・長沼さん/仮名・30代)
後藤啓介
YOZE FARM
地際に押し倒す誘引法の応用でホワイトアスパラガスの長期収穫が可能です
栃木県でアスパラガスと米を生産しているYOZE FARMと申します。
ご相談の内容を見ると、「母茎地際(ぼけいじぎわ)押し倒し誘引法」という広島県が特許を取った栽培方法を応用すれば、夏から秋にかけてホワイトアスパラガスの収穫が可能になると思います。
具体的には、通常は垂直方向に生長するアスパラガスの若茎を、地面方向に人為的に誘導する方法です。
一般的には半円筒形資材とUピンを使って、最初は45度程度、最終的に90度未満の角度で押し倒します。
母茎を横に列状に倒した後は畦に格子棚を設置し、昇温抑制と保温機能を合わせ持つ資材で被覆して日照を99%以上遮光します。
この方法だと6月~9月下旬にわたってホワイトアスパラガスの生産が可能となります。
ご相談者さんは露地栽培のようですが、小さなハウスが余っているのであれば、ハウスでやった方がよいのではないかと思います。その方が病気の対策がしやすいですし、収量的にも有利となります。
ただし、ホワイトアスパラは高価格での取引が可能ですが、季節商材的な要素が強いので、夏場に出しても需要が少ないのが現状です。
そのため、小面積(0.5アール未満)でやられることをおすすめします。
お知り合い以外にも取引先を見つけないと、ロスが出てしまう可能性があります。
できれば、夏以降でも「ホワイトアスパラガスを作れます」というのを売りにして、積極的に営業をかけるくらいの気持ちでやられた方がいいでしょう。