就農して5年、都内で小さい農地を借りて多品目の野菜を育てています。
きゅうりを栽培していますが、病気に強いからと「シャキット」「夏すずみ」などを薦められ、育ててきました。
いままでは無我夢中になって栽培してきましたが、最近になって収量のことなども意識するようになってきました。
そこで気になっているのが、きゅうりの雌花率と収量についての関係です。
「夏すずみ」は「シャキット」よりも雌花率は高いようですが、最終的な収量に大きな違いは感じられません。
そもそも雌花率と収量の関係はあくまでも目安にすぎず、収量は育て方で変わってくるのでしょうか?
(東京都・野村さん/仮名・30代)
イチロウのゼロイチ農業(旧さいこうやさい)
きゅうりの収穫量は「節なり」「雌花率」により影響します!おすすめの品種は「なるなる」
シャキットは四葉系きゅうりより秀品率と収量性が高い、また、夏すずみはべと病・うどんこ病に強い耐病性。
どちらもかなり昔からあるロングセラーの品種ですよね。
◼️品種による収穫量の違い
僕自身はきゅうりの専業ではないため、自分自身が取り組んでいる家庭菜園レベルでの「きゅうりの雌花率と収量についての関係」についてお話しようと思います。
収穫量については
・雌花率
・節なり
この2点が僕の経験では収穫量の差が付きました。
まず「夏すずみ」ですが、50%から60%の雌花率です。それに対して「フリーダム露地一号」が70%~80%の雌花率と差があります。
数値だけで言えばフリーダムのほうが収量は多くなるはずですが、実際にやってみると夏すずみと特別明確な差は感じません。
一方、「なるなる」の雌花率は春で70~80%ですが、夏すずみと比較してみるとなるなるは約3倍の収穫量を達成しました。
ここでとても大切だったのは、「なるなる」は
・各節にほぼ花が付く
・花はほぼ雌花で、雄花と雌花が同時に咲くこともある
ということでした。
こまでの経験から言えることは、
【「節なり」であることが前提で、その土台の上に雌花率が高ければ収穫量が3倍になった】ということになります。
◼️自分の圃場で最大値を目指す方法
で、ここからが大切なポイントですが、ご自身の畑に合う品種でないと長い期間収穫ができないため、収量を伸ばすことができないんです。
ではどうするかというと、
・種メーカーと相談し、「節なり」「雌花率の高い」品種を実験する
・複数実験し、1株からの収穫量を測定する
この2点に注意して見てください。
四葉系も同様ですが、普通のきゅうりにくらべ種類が少ないので選択肢は広くないかもしれませんね。
というわけで、一度「なるなる」をお試しいただきながら同時にいくつかの上記の条件で種から測定し、「自分の土目で最大量の収穫ができる品種」を見つけてみてください。
近くにきゅうりの農家がいらっしゃれば、同じ品種を試すのも近道の一つです。
うまくいくことをお祈りしております。