地元に戻って就農したばかりですが、農地はあまり広くありません。
こじんまりとした農地で美味しい野菜を作ることだけを考えていましたが、やはり経営的に厳しいです。
最近では、限られた農地の中で、できるだけ作物の収量を上げることを意識しています。
そこで、オクラの収穫量を増やす方法について相談したいです。
栽培しているのはアーリーファイブという品種で、昨年までは3本立てでやってきました。
最初にオクラの栽培方法を習った際に、2~3本立てが有効だと教わったのですが、もし5本立てができるのであれば、収量のアップが望める気がします。
しかし、まわりでは誰も5本立てなどはやっていません。
オクラ5本立て栽培というのは無理があるのでしょうか?
(香川県・村山さん/仮名・30代)
鈴木雅智
ブロ雅農園
オクラの5本仕立てのメリットは必ずしも「収量アップ」ではありませんが、最適なサイズや作業性アップが期待できます
こんにちは。神奈川県の三浦半島でブロッコリーを中心に少量多品目を栽培している農家の鈴木雅智です。
オクラの栽培もおこなっています。参考になれば嬉しいです。
オクラの5本仕立てについてですが、わが家も毎年5本仕立てで栽培しております。
わが家は多品目を行っている関係で、一つ一つの野菜にそこまで時間をかけられません。
オクラで一番怖いのが「取り遅れ」です。
取り遅れたオクラは割りばしを食べているようなとても食えたものではありません。
そこで、5本仕立てを行うと急激に大きくならずに徐々に収穫できるので作業がぐっとしやすくなります。
ここで難しいのが「収量アップ」にはならないということです。
あくまで5本仕立てだと「最適なサイズがとれやすい」「作業しやすい」「取り遅れが減る」ということです。
今までが、取り遅れが多くロス率が高いということでしたら、5本仕立てで収量アップにつながると思いますが、相談者さんが3本仕立ててでも十分仕事が間に合っており、適度なサイズで収穫できていたとしたら単純な収量アップにはなりません。
その場合は単純に作業がしやすくなる分、オクラの5本仕立ての面積を増やすということしかないと思います。
オクラは種も安価ですし、面積さえあれば絶対こちらの方がおすすめです。
また、品種選びも大切だと思います。アーリーファイブも素晴らしい品種ですが、極早生であり、5角なので硬くなりやすいと言われています。
「早く」「たくさん」とれるのは良いのですが「長い期間」「後半戦」「ゆっくりとる」という目的では、5角だけでなく丸オクラもおススメです。
わが家の場合は、長い期間、ゆっくりとりたいので丸オクラの「島の唄」「島の恋」などを栽培しています。
極早生のアーリーファイブと組み合わせることによって「早く」「長く」とることが出来るのでおススメです。
直売所に出すことがあるならば差別化をはかり変わった品種を少しやるのもおススメです。
栽培はクセがありますが「ダビデの星」は飲食店向けにも売れますし、赤オクラ・白オクラもおススメです。
オクラは今(7月)から蒔いても秋にとれますからぜひ色々栽培してみてください。
様々な品種で収量アップ、収入アップを目指しましょう。