神奈川県でいちごの露地栽培を行っています。これまで父と私と妻の3人で無理なく生計を立ててきましが、これからも農地を拡大せずに、身の丈に合った規模で生活していくつもりでした。
しかし、知り合いのご主人が大病を患ってしまい、廃業することに。治療費を捻出する必要もあり、使わなくなったビニールハウスを年間150万円で借りてくれないかと相談されました。
規模は26アールで、10アールがコンクリート製、16アールが土壌になっています。設備は高軒連棟型で、冷暖房完備、自動温度調節、地下タンク水完備、自動暗転装置付きです。機能に関しては、非常に理想的といえます。
私の父とその方は非常に仲が良いので、父は力になりたいと言っています。しかし、ハウス栽培はこれまで経験がなく、簡単に情に流されるわけにはいきません。
専門家からのアドバイスを伺って判断したいのですが、まずはハウスのレンタル料と光熱費などの維持費を具体的に教えてください。
(神奈川県・佐藤さん/仮名・40代)
山形文吾
フルーツガーデン山形
金額は妥当ですが、借りる期間や設備投資を考え、契約の金額や条件を交渉しましょう
年間150万円という金額ですが、面積や設備的に考えると、価格は高くも安くもないと思います。妥当な金額ではないでしょうか。
初めてのハウス栽培とのことですが、もし元を取ろうと思うならば、いちごの観光農園をおすすめします。とはいえ、露地栽培と並行しながらハウス栽培を行うとなると、やはり人件費もかかりますし、実際に手が回るかどうかを検討していかなければいけないでしょう。観光農園で起こりうる問題も事前に調べておく必要がありますね。
できれば、借りる際に条件を付けてみるのはいかがでしょうか。年間150万円とのことですが、長期的に借りるつもりであれば、金額を安く交渉してみてください。
例えば、「20年借りるので10年目以降は半額にしてもらう」など、相談をしてみる価値はあると思います。また、契約する時点で、「途中でやっぱり返してください」などとならないように、お互いに綿密に話し合って条件を取り決めておく必要があります。
自動で水やりができる潅水装置は入っていないようですので、設備投資をすることになるでしょうか。その場合のローンのこと含めて、金額を相談するのも良いかと思います。