千葉県で野菜や果実の栽培をしている50代前半です。
冬から春にかけてのビニールハウスにかかる電気代(暖房代)が年々高くなり、見直せないかと考えています。
現在はヒートポンプを使用していますが、先日、節電機器メーカーの営業マンから「もっと電気代を安くできる方法がある」と持ちかけられて悩んでいます。
一度契約したらクーリングオフ(契約解除)も難しいでしょうし。
電気代を安くするためには、自分でどんな工夫ができるのか、また、何かを導入するのであれば、何を基準にどのような製品、サービスを選べば良いのかが知りたいです。
(千葉県・内藤さん/仮名・50代)
小沢 聖
明治大学黒川農場
気温と地温のメカニズムを上手に活用してみましょう
相談者様は電気でハウス加温をしているようですね。電気が得意とするのは、根圏(こんえん)土壌(根の周りの土壌)などの局所タイムリー暖房です。
ハウス全体を暖めたいとなると、気温と地温の仕組みを理解して活用した方が結果的に電気代は安くなるかもしれません。
気温は、太陽を浴びた地面や作物が温まった後に、その熱を受けて1~2時間後に上がります。一方で、地温は土壌の熱容量(温度を1℃高めるのに必要な熱量)が空気に比べて圧倒的に大きいので、上昇は気温より遅れます。
つまり、地温を気温の上昇時間に合わせて上昇させれば、効率的にハウス内を温められると考えます。
地温を上昇させるには、土壌を電気で温める温床線を使用します。通電時間帯を日射上昇(光合成可能量)に合わせて、6~12時あるいは9~12時に土壌を加温します。
方法は簡単で、苗を定植する前に、苗土の底が当たるように溝を切って温床線(8W/m程度)をシングルで埋め込み、タイマーで作動させます。電気の力で無理やり地温を上昇させる作戦です。
ハウス内の温度を上昇させるには灯油の暖房機を使わなくてはなりませんが、設定温度を低めにすること、暖房機を小さめにすることで節約は可能かも知れません。
なお、暖房効率を高めるために、カーテンの設置とその素材が重要です。熱透過性が低く、防曇(ぼうどん)性(=曇りを防ぐ機能)が高い素材を選んでください。地域の日射量などの影響もあるので、普及センター、農協などにご相談ください。
農林水産省生産局 技術普及課生産資材対策室 資材対策企画班
農林水産省生産局 技術普及課生産資材対策室 資材対策企画班
電力プランの見直しがキモです
2016年に「電力小売の全面自由化(誰でも電力会社や料金メニューを選べるようになったこと)」がスタートして、さまざまな事業者が電気の小売市場に新たに参画しました。
こうした小売電気会社を総称して「新電力」と呼びます。有名どころだと、東京ガスやエネオスなどがありますね。新電力は大手電力会社よりも料金を安めに設定していることが多いようです。
2020年2月に農水省が新規参入した新電力に聞き取り調査を行った結果、そのうちの101社が農業用料金の契約サービスを行なっています。
このうち、大手電力会社を含む30社が低圧電力の料金メニューを用意していますので、お住まいの地域の電力会社に確認してみてください。
農水省が実際の電力使用量をモデルにどれだけ電気料金が安くなるか試算しています。
例えば東京電力管内でトマトの半促成栽培(栽培期間の前半だけ加温・保温)している農家を例にします。この農家は、契約電力17kw、年間電力使用量3800kw、1〜5月末までヒートポンプ2台と重油ボイラーを併用、6〜12月までは電気を使っていません。
その結果、東京電力で正規の契約プランであれば、年間基本料金+電気使用料金=合計22万2169円。
一方、農業用料金の契約サービスを取り扱っている複数の電力会社19プランで試算すると、年間基本料金+電気使用料金=15 万7320円〜24万5404円と、1社を除いて東京電力の正規プランより抑えることができました。
実際には、個々の農家で利用する電力の使用状況(ピークとなる季節や時間帯)で異なりますから、ご相談者様は複数の電力会社に見積もりを頼んだほうがいいと思います。
農水省のホームページに農業用料金のメニューを用意している事業者とその供給地をリストアップしているので、ぜひ確認してみてください。
なお、そのほかのプランも知りたい場合は、日本全国の電力プランを簡単に比較できるサイトもありますので、どのプランが良いのか迷った時は利用してみてはどうでしょうか。
TOKIJAPAN
株式会社ジェーピーシーネット
その後電気料金は解決したでしょうか。
設備などどのようになっているのでしょうか?
電気料金は5年以内に無料にする方法が有ります。
設備により私の方の政策と機器が変更になります。
これは実用新案です。
電気料金や経費の事でお悩みの方はご連絡ください。