いちごの観光農園を経営しています。
農園ではいろんな品種を栽培し、品種の違いによる味や食感の違いを楽しんでもらっています。
2025年の1月に大粒イチゴ「あまおう」の品種登録が切れるので、他県でも自由に栽培が可能となります。
とても人気の高い品種なので、これを機会に「あまおう」を導入したいと考えていますが、福岡県が商標登録しているため、「あまおう」(「甘王」も不可)の名前は使えません。
観光農園なので、必ずしも名前を付けて販売する必要はないのですが、魅力的な品種名なので、できれば宣伝に活かしたいと考えています。
「あまおう」の名前を使わずに宣伝する場合、どのようなPR方法がよいでしょうか?
(静岡県・山本通成さん/仮名・50代)
仲野真人
株式会社食農夢創 代表取締役
いちごそのものをブランディングして、知名度を上げよう
いちごをどうやって周知するかは生産者のみなさんが悩むところです。
特に「あまおう」のように知名度が高い品種であれば、消費者も食べてみたいと思いますよね。
ただ、一方で、ご相談者さんがおっしゃるように「商標登録」があるので使用には気を付けなければいけません。
さて、その際にどうやって自社のいちごとして宣伝するのか。 それについては認知度を高めるという意味で「ブランディング」になります。
その手法はさまざまありますが、一番は自社オリジナルのネーミングを付けることが多いかと思います。
一番簡単なのは「○○農園のいちご」などでしょうか? でも、それは多くの農園がやっていることなので、それだけでは差別化は難しいかもしれません。
全国的な事例としては、宮城県亘理(わたり)町にある株式会社GRAの「ミガキイチゴ」が有名です。
「食べる宝石」というコンセプトで、デザインにもこだわり「1個1,000円のイチゴ」としてニュースにも取り上げられました。
ミガキイチゴのように、品種ではなく、いちごそのものをブランディングし、知名度を高める。
その際に重要なのはそのいちごを「誰に」届けたいか(食べて欲しいか)を明確にすることも重要です。
「幅広い世代に食べて欲しい!」という気持ちはわかりますが、それだと子供から大人、大人でも20代~80・90代まで幅広く、それぞれの世代でニーズも異なります。
そのため、一番届けたいターゲット層に合わせてコンセプト(キャッチフレーズ)、ネーミング、デザインなどを練りこんで、そのターゲットに向けて情報発信をすることが大事です。
情報発信についてはSNSなどもあるので、SNSが得意な人などに手伝ってもらう方がよいかもしれませんね。
ぜひ自分の想いを伝えられるようなPRができると良いですね!