京都で季節野菜を栽培していて、2年目になる新米農家です。
春夏はトマトやナス、きゅうりなど、秋冬は人にんじんやサツマイモ、白菜などを育てています。
冬にメインで育てているのは大根ですが、昨年は収穫した大根の表面に傷ができてしまい、見栄えがいまいちでした。
カビとは違って、何かにぶつけたような凸凹が点々としています。
食べてみたところ味に問題はありませんでしたが、売り物として出荷するのでできれば見た目をキレイにしたいです。
品種は一般的な青首大根で、低農薬の露地栽培です。なにかコツがあれば教えてください。
(京都府・木下さん/仮名・20代)
鈴木雅智
ブロ雅農園
大根の凸凹の原因はセンチュウが原因かも?他にも土づくりや水はけなどポイントを押さえましょう
こんにちは。神奈川県の三浦半島でブロッコリーを中心に少量多品目を栽培している農家の鈴木雅智です。
ダイコンは毎年10品種ほど栽培しています。参考になれば幸いです。
まず、青首大根の表面が凸凹している原因ですが、一番考えられるのはセンチュウかなと思います。センチュウ対策は何かしているでしょうか?
シンプルなのは農薬ですが、農薬をあまり使用したくないという場合は、コンパニオンプランツによる対策です。
神奈川県の三浦半島の三浦市は、市町村別では青首ダイコンの栽培本数が全国で1位を取ったこともあるくらいダイコンの栽培が盛んな地域です。
そんな場所で一昔前に盛んにおこなわれていたセンチュウ対策はマリーゴールドによるセンチュウ対策でした。
ただし気を付けなければいけないのが、フレンチマリーゴールドではなくアフリカンマリーゴールドを使用するという点です。
これにより「キタネグサレセンチュウ」の対策ができて肌のきれいなダイコンが作れるようになりました。
ただし、これには問題がありマリーゴールドの花に害虫がよってしまうという問題が発生しました。
そこで今やられているのが「花の咲かないマリーゴールド エバーグリーン」です。
正確には「咲きにくいマリーゴールド」ですが、これにより花によりつく害虫を対策できたのです。
ただ、マリーゴールドをやると栽培期間が長いせいでその期間、野菜がつくれないなどの問題があり、結局手軽に短期間でできる農薬による対策の方が広がっています。
どちらを天秤にかけるか栽培スタイルによると思いますが、農薬を使用したくない場合は栽培期間が問題なければマリーゴールドは効果があるのでおすすめです。
また、凸凹になる他の原因と対策を考えられることを記述しました。
1、生っぽい堆肥が入っていた
対策→ 完熟堆肥を使用する。栽培前に早めに施用する。堆肥をやってから1か月後に播種をする。
2、水はけが悪い
対策→ 水が溜まらないように排水に気をつける。暗渠などの対策を行う。
3、水不足
対策→ 適度な灌水。特に初期に注意。後半は乾燥が続くと「コブラ果」になってしまい、変な形になり市場価値がなくなります。
4、土が固い・小石がある
対策→ しっかりとたい肥を使用し、フカフカな土にする。団粒構造を目指す。小石をしっかりと取り除く。
5、収穫遅れ
対策→ 適度なタイミングで収穫する。品種を変える(例えば、栽培期間が短い 短太ダイコンにする など)。
考えられるのはこのあたりだと思います。