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直売所で販売する野菜の袋にチラシを折り込みたい。表示・表現上で注意すべきことは?

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直売所で販売する野菜の袋にチラシを折り込みたい。表示・表現上で注意すべきことは?

2022年に定年退職して、現在は20アールほどの広さの畑で無農薬で野菜を作っています。

2年目に入り、ようやくそこそこ満足のいく野菜が採れるようになりました。

そこで、母名義のJA出資を引き継いで直売所部会に登録し、直売所で出荷を始めたいと思っています。

店頭には野菜づくり名人の野菜がたくさん並ぶので、そのなかで埋没しないように、他の農家があまり作っていないような珍しい品種や作目をメインに売りたいと考えています。

野菜の包装(透明のビニール袋)には「有機無農薬」といった特別栽培の表示ができないので、袋の中に商品をアピールするようなチラシを折り込もうと思っています。

そのチラシには、簡単に栽培法や栄養価、料理法などを書き込む予定ですが、表示や表現上で注意すべきことを教えてください。

チラシは折りたたんで中に入れますが、表に見える、見えないに関わらず、包装の表示と同じような規制が適用になるのでしょうか。
(埼玉県・新井和巳さん/仮名・60代)

仲野真人

株式会社食農夢創 代表取締役

チラシに無農薬や減農薬、無化学肥料、減化学肥料などと表示することは禁止されています

地域の直売所で販売する際に、同じ品目を作っている生産者が複数いるとどう差別化するかはなかなか難しい問題になりますよね。

その際にPOPやチラシを活用して自分の商品のこだわりや特徴をPRするのは大切です。

質問者さまは、有機無農薬で栽培しているとのことですが「有機・オーガニック」を求めている消費者は一定数います。ただ「有機・オーガニック」と表示できるのは「有機JAS」認証を取得した生産者だけになります。

また「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」で「無農薬」「無化学肥料」「減農薬」「減化学肥料」などの表示も禁止されているのでご注意ください。

また栄養価についても一般的な野菜の栄養価を書くことは問題ありませんが、「この栄養素が同じ野菜の○倍」などの表示はきちんとエビデンス(証拠)が必要になるのでこちらもご注意ください。

一方で、例えば質問者さまが「どういう場所で栽培しているか」や「こういう点にこだわって栽培している」という栽培方法をアピールするのは問題ありません。

最近では、栽培履歴を求めるスーパーのバイヤーなども多くなっているので、慣行栽培の生産者でも「どのような農薬をいつ使用した」などの情報を公開することによって、信頼度が高まるようになっています。

また、珍しい品目などは消費者がその品目自体を知らないこともあるので、「この野菜にはこういう栄養価があります」や「こういう食べ方をするのがオススメです」などを書くことは、むしろ教えてあげた方が消費者も手に取りやすくなるでしょう。

そして最後に一点だけ気をつけていただきたいことがあります。

それは、質問者さまが有機栽培に準じた(有機無農薬をあえてこう表現しました)生産に取り組んでいるからといって、他の慣行栽培の生産者を貶めるような表現は使わない方がよいです。

「有機無農薬だから安全安心」というのは慣行栽培を否定する表現にもなりかねません。

それこそ、地域の生産者との分断を生みかねません。それよりは質問者さま自身の農業への想いやこだわり、また農産物の特徴や食べ方などを伝えることをお勧めします。

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