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消費者に「環境にやさしい作物」だと知ってもらうには、どのような数字やデータをPRすれば良い?

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消費者に「環境にやさしい作物」だと知ってもらうには、どのような数字やデータをPRすれば良い?

埼玉県で、長ネギ、スイートコーン、かぼちゃを中心に多品目の野菜を露地栽培で育てています。

息子に経営権を譲ってから5年ほどが過ぎた今、経営面積が80アール程度に広がりました。

息子は高校、大学と農業系の学校で学んでいたため、環境問題への意識が高く、化学的に合成された肥料や農薬の使用を徐々に減らしています。

さらに埼玉県では「S-GAP」という制度があり、安全管理、生産履歴や作業日誌を記録し、肥料の内容や量などの履歴などもデータとして残してきています。

生産者として「環境に優しい農業をやっている実感」はあるのですが、消費者が安心して野菜を購入することとは別問題なのではないかと感じています。

消費者など第三者に「環境に優しい作物」だと知ってもらうには、数字などの裏付けが必要なのではないかと考えています。

そこで、どのような数字やデータを出せば消費者に「環境に優しい作物」だと知ってもらえるのか、教えていただけないでしょうか。
(埼玉県・川嶋さん/仮名・60代)

仲野真人

株式会社食農夢創 代表取締役

消費者に理解してもらいつつ、相談者さんのファンになってもらう、などの取り組みまで含めて考えてみましょう

最近はSDGsへの取り組みも含めて「環境への配慮」や「環境にやさしい」という言葉をよく目にするようになっていますよね。

それは実際問題として農林漁業でも同じです。

では実際に目に見える形でのアピールとしてどのような取組みがあるのでしょうか?

ひとつめは「認証を取得する」というのがわかりやすいですね。

国では「みどりの食料システム戦略」を推進しているように、有機農業が注目されています。

しかし、いきなり有機に転換するのは難しいので、まずは「特別栽培基準」や「エコファーマー」などにチャレンジしつつ、将来的に「有機JAS認証」を取れれば、それは「環境にやさしい農業」とアピールできるでしょう。

ふたつめは「循環型農業」です。自社で全て取り組むのは難しいですが、地域で取り組むことは可能です。

例えば地域で「農家がデントコーンを収穫する→それを牛が食べる→堆肥を肥料にする→その肥料で農産物を栽培する」と地域内で循環させることで、環境配慮していることをアピールすることができます。

そして最後の三つめが、昨今注目を集めている温室効果ガス「GHG(Green House Gas)」削減の取り組みです。

農業生産においても農薬の使用や、トラクターなどの機械を動かすために重油を使用するなど二酸化炭素を排出しています。

その排出量を見える化し、減らす取り組みが日本でも注目を集めています。相談者さんの希望だと数字で魅せる部分では、これが一番わかりやすいかもしれませんね。

ただ、実際問題として「環境にやさしい農業」をしているからといって、栽培した作物を高く買ってくれる消費者はまだまだ少ないのが現状です。

それよりも、相談者さんが「環境にやさしい農業」を通して、「何をしたいのか」「どういう価値を提供したいのか」が重要だと思います。

例えば、「環境にやさしい農業はこんなに大変なんだよ」と消費者に理解してもらいつつ、相談者さんのファンになってもらう、などの取り組みまで含めてどうするかを考えてみてはいかがでしょうか?

参考:農林中央金庫「農業における環境負荷軽減の取組み

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