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夏の収量が下がる。トマトの収穫量をあげるための栽培方法や品種を教えて

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夏の収量が下がる。トマトの収穫量をあげるための栽培方法や品種を教えて

沖縄県でトマトを栽培している専業農家です。

トマトの旬は夏ですが、沖縄県は6~11月の約半年間、暑さのせいでトマトをはじめとする野菜の収穫量が軒並み下がります。

また台風の季節も重なるため、被害の大きな年には全く収穫できないということも。

そのためか、沖縄県の野菜自給率は夏になると20%ほど。トマトにいたっては4%ほどしかなく、県外から輸送される野菜に頼らざるを得ません。

しかし県外のトマトは1パック(500g)が500円近くと、非常に高値です。

また、暑さ問題だけでなく、近年人材不足が深刻な沖縄県では今後もトマトをはじめとした野菜の更なる高騰が予想されます。

トマトは、タコライスやタコスなど郷土料理に欠かせない野菜。

沖縄のソウルフードを支えるためにも、なんとか地元のトマトを手頃な市場価格で生産し続けることはできないでしょうか。

トマトの夏の収穫量UPにつなげられる栽培方法やおすすめの品種があったら、ぜひ教えてほしいです。
(沖縄県・金城直也さん/仮名・30代)

三浦茂樹

メビオール(株)事業開発部 主任研究員

環境改善に着目することが糸口

相談者さまは、沖縄の高い温度と栽培する人手不足に悩まれているということですね。温度に関しては、気温が35℃を超えると高温障害が出やすい状況になると思います。

トマト栽培でも、トマトの高温障害対策や作業者さんの熱中症対策としてにも高温への対応は重要です。

ハウス内が高温にならない代表的な方法として、寒冷紗など遮光カーテンで日陰を作ること、ハウス内より涼しい風を換気窓や換気扇を使用して取り込むなどがあると思います。

もし、今よりハウス内を乾燥できる圃場内管理ができるならば、ドライミストなど気化熱を活用した冷房でさらに温度をさげることができます。

極めて乾燥した砂漠地では、気化させるシステムは少し異なりますがパット&ファンを活用することでトマトが栽培できる環境にできました。

弊社システムを砂漠地で設置運用した時の経験では、栽培地面から湿気が上がってこないように防草シートの下に薄いマルチを敷設したところ、乾燥による冷房の効果が増したと考えています。

当然トマトも蒸散をしてくれますので群落内は温度計の表示より涼しく感じました。

相談者さまが今までとられた対策に加えて乾燥ぎみにできる栽培をめざすことと、そのうえで投資ができるとすれば、ドライミストの活用はいかがでしょうか。

トマトも人も快適温度がほぼ同じので、私たちの熱中症対策も期待できます。

もうひとつ人手不足の問題ですが、原因によって改善内容が異なると思いますが、快適な仕事環境と仕事内容に対して魅力的な時給が分かりやすそうです。

病気や虫を持ち込まないように着替えたり、スリッパに履き替えたり、環境制御で温度・湿度を調整したり、誘引整枝など光合成や防除を考えながらお世話をする作業…。

すべてトマトのためですが、結果作業環境の改善がされるので、魅力的に思います。

また、魅力的な時給を提供するにあたっては、どのマーケットを目標設定してどのようなトマトを栽培されるかという点があると思います。

すでに取り組まれているかと思いますが、供給量が足りないのであれば、量を提供することや、その土地で育ったことに価値を共有できる人に、焦点をあてることもテーマです。 

地元で育ったから手に取りたくなるのか、沖縄を感じたいから手に取るのか…、こだわって育てられたからこそ手に取られるお客さんもいらっしゃると思います。

すでに取り組んでいるとは思いますが、圃場内がきれいで、作業者が笑顔であることは、何よりブランドや品質を裏打ちするように思います。

野菜としてのトマトからスーパーフードになりうるトマト、SDGsに適応した環境にやさしい栽培方法など購買者の評価によって単価も異なるようです。

相談者さまが目指す消費者像とトマトをどう演出するか、さらに研究してみるのはいかがでしょうか。

弊社では、食の安全性や品質向上、環境負荷軽減など、農業現場の問題解決のために、栽培システム「アイメック®︎」を開発しました。

アイメック®︎では、アイメック®︎フィルムという、ソフトコンタクトレンズを薄く伸ばしたような形状のフィルムを活用し植物を育てます。

ソフトコンタクトレンズに水分が含むように、このフィルムは水と養分だけを含んでためることができます。

細菌やウイルスは通過できないフィルターのしくみももっています。植物はフイルムに根を貼り付けさせ、フィルムに含まれる水と養分だけを吸い上げるため、病気になりにくく減農薬効果が期待できます。

フィルムに張り付いた根の色や量で健康診断をしながら栽培ができますので、肥料過剰や水分過剰のメタボリックトマトにならないようトマト苗の健康生活を一番の目標に栽培をしています。

県外の販売価格と競争ができないとのことですが、観光農園化できるような圃場管理や、作り手がどれだけトマトに向き合うかといったストーリーは付加価値が付きやすいように思っています。

相談者さまの知見・技術に弊社システムとの組み合わせに可能性があるようでしたら、ぜひご相談くださいませ。

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