トマトの農園ブランドをオーナー制度を取り入れてゼロから作りたい。計画の立て方を教えて

YUIME Japan編集部 / 2022.09.01

文字サイズ

拡大標準

滋賀で父と2人で米とトマトを栽培しています。

父の代までは米専業でしたが、自分が就農した5年前に田んぼの一角にハウスを6棟建てて、トマトとミニトマトも育て始めました。

トマトは直売所や飲食店で人気が高く、年々需要が高くなっていると感じているので、今後はトマトの比率を上げていきたいと考えています。

また、かねてから農作物の「オーナー制度」に興味を持っていました。予約注文で継続的な収入が見込めるなら、経営的にも理想的です。

しかし、普段からインターネットで直販や発信をしているわけではないので、いきなりオーナー制度を始めるのは無謀な気がします。

他のトマト農園の事例を調べるなど私なりに研究していますが、農園ブランドを作るのには、何から着手したらいいのかわかりません。

今は漠然と「取り組み始めてから3年後にオーナー募集を開始」を目標にしようと考えています。

「農園ブランド」を作るための計画の進め方について教えていただけないでしょうか。
（滋賀県・池村理人さん/仮名・30代）

オーナー制度はビジネスであることを理解し、ロードマップ作成や集客、ブランディングを行いましょう

農産物のオーナー制度はとても良いビジネスですね。良いビジネスとは、需要があるということです。

オーナー制度を始めるには、これが「集客型ビジネス」であることを理解することが大事です。

集客ビジネスの方法は、大まかに次の4段階に分かれます。
流れを確認して、組み立ててみてください。

1、自社商品サービスの特徴、「USP」を明確にする
2、対象となるお客さま像、つまり「ペルソナ」を明確にする
3、宣伝・告知など「訴求方法」を決める
4、「決裁方法」を決める……と、このようにお話したところで、最初はさっぱりわからないと思います。

なぜなら、オーナー制ビジネスは、農業でありながら実はサービス業をやるということだからです。

ビジネス＝商業であることをしっかりと理解しないと、たいてい失敗してしまいます。

とはいえ、農業をやりながら商業をやるのは結構難しいので、できることから1つずつ取り組んでいきましょう。

まずは3年計画のロードマップの作り方について説明します。

最終目的が体験農場でも、観光農園でも、オーナー制ビジネスでも同じです。いずれもとにかく「集客」がポイントです。人を集める練習からスタートしましょう！

具体的に今から始められることとしては、

・オンライン上で人を集める練習をする。例えばSNSで、フォロワーや「いいね」を増やしましょう。
・友達を誘って飲み会を開く。主催者となって人を集める練習をしましょう。
・イベントをやってみて、実際に人を集める練習をする。
・他の人のイベントなどに参加して、どうやって人を集めたかを調べる。
・SNSでフォロワーが多い人を研究して、魅力的な情報発信をマネする……などです。

最初は誰でも初心者です。これができるようになれば、3年後にはたくさん人が集まる農園になると思います。

最後に、農園のブランディングについて重要な点を補足します。

「人が集まっている」状態になれば、それこそがあなたの農園のブランドが確立されたということです。

気をつけなければいけないのは、先に「ブランドがあるから人が集まる」わけではない点です。人が価値を感じて集まったり、買ってくれたりしてくれた結果、ブランドができるのです。

例えば、ハイブランドの代表でもある「エルメス」の例を挙げましょう。

最初は「この馬具は使い勝手がいいね！」と売れ始めて商品が評判となり、やがて「あそこの商品の品質は間違いない」ということが多くの人々に伝わって、結果的にブランドに成長したのです。

つまり「ブランドが先ではない」ということ。

まずは自社農園を知ってもらい、来てもらう。それを続けているうちにいつの間にかブランドは出来上がるものなのです。この点をお間違えないように♪