数年前に母が農業を離れて以来、後を継いで農業を営み里芋を栽培しています。
里芋は60年程前に母が芋市で購入してきた種イモを増やしてきたもので、品種を聞けないうちに母は亡くなってしまいました。
私は母がやっていたように、露地栽培で3月に植えて秋に収穫をしているのですが、母が育てた里芋のような大きさにならず悩んでいます。
種イモは大きい方が良いと聞き、毎年大きめのものを選んでいますが、種イモの選び方も正しいかどうかわかりません。
選び方のコツやポイントなどを教えてください。
(熊本県・水野晃さん/仮名・60代)
山川 理
山川アグリコンサルツ代表、農学博士
品種によって栽培方法が異なる里芋。種イモは時々新しいものに更新を
里芋は品種によって特性が異なるため、それぞれに合った栽培法を行う必要があります。
今回の相談においても、種イモの選び方というよりは品種に合った栽培方法ができていないのかもしれませんね。
ただ品種がわからないということなので、代表的な品種をいくつかご紹介しますので参考にしてみてください。
里芋のなかで最も一般的な品種である「石川早生(わせ)」は、親イモに付いた子イモや孫イモ、ひ孫イモを収穫するタイプです。
具体的な栽培方法は、まず高畦を作り、やや大ぶりの親イモを横向きに植えます。
深さは親イモの3倍くらいが目安です。マルチを張って、芽が出たところでマルチに穴をあけます。
葉がついた親イモや子イモも結構肥大しますが、これらは固くて商品にはなりません。
もったいないので、私のところではこのようなイモはペースト状にして、コロッケなどに加工して食べています。
自宅で食べる分には十分おいしいですよ!
ほかにも、子イモがほとんど成長せずに親イモが大きくなる「大吉(あるいはセレベス)」や、曲がった形の「海老芋」といった品種がよく出回っています。
相談者さんの育てるイモの品種が上記に当てはまるかどうかは分かりませんが、自家採種を継続していると種イモに病気が入ることがあります。
時々、種イモを更新することを心掛けて下さい。