熊本で唐芋(里芋の品種名)を栽培しています。
種イモは毎年、翌年の春先まで土の中で保存しているのですが、この保存方法についてアドバイスをいただきたいです。
保存する土の深さは2m以上、なるべく腐らないようにと心掛けているのですが、どうしても腐ってしまう種イモが出てしまいます。
仲間の農家は貯蔵庫を備えているところもあるのですが、70代の夫婦ふたりであと何年作れるかどうかを考えると、貯蔵庫を買うまでもないかなと思ってしまいます。
そこで貯蔵庫を使わず、従来の保存方法のまま、腐りが出ないようなやり方やコツがありましたら教えてください。
(熊本県・畑野静二さん/仮名・70代)
山川 理
山川アグリコンサルツ代表、農学博士
種イモを土の中で腐らせずに保存するコツは、土の中の排水性や通気性に気をつけること
昔の農家さんは皆、相談者さんのように畑に1mくらいの深さの穴を掘って種イモを埋めて保存していました。
品種によって貯蔵性はさまざまですが、温度が15度以上あればどの品種でも貯蔵することができます。
貯蔵庫を利用せずに土中で保存するコツは、穴の中の排水性や通気性に気をつけることです。
中に水が溜まらないようにもみ殻やわらを敷いたり、息抜き用のトンネルを取りつけるなどの工夫をしてみましょう。
種イモは稲わらやもみ殻を組み合わせてクッションを作り、土に直接触れないように上手に積み上げると良いですよ。
また、収穫から2週間程度はイモが盛んに呼吸しているため、穴の中の温度が上昇したり湿度が高くなりやすい状態です。特に注意を払いましょう。
他にも、穴に水が溜まらないように土を高く盛り上げたり、排水路を作ったりすることも有効ですので、一度試されてはいかがでしょうか。