徳島県の山間部、にし阿波で蕎麦やキビなどの雑穀類を中心に、季節の野菜も含め少量多品目の作物を育てています。
サツマイモは「べにはるか」を無農薬で栽培しております。
にし阿波は土地が肥沃なので肥料もあまり必要なく楽に栽培できています。
おかげさまで味の評判もとてもいいです。
しかし、無農薬で栽培しているせいもあるのでしょうが、除草がかなり大変なのが悩みです。
いままではこまめに手で引き抜いてきましたが、還暦を迎えた頃から肉体的にもキツくなってきました。
油断すると雑草が茂ってしまい手に負えなくなってしまうので、サツマイモ栽培をやめようかどうかを考えているところです。
植え付けの初期段階の除草剤の導入、ビニールシートで覆う事なども考えています。
可能であればもうしばらく栽培を続けたいので、できるだけ肉体的に負担にならない除草方法を教えていただきたいです。
(徳島県・吉田修さん/仮名・60代)
山川 理
山川アグリコンサルツ代表、農学博士
サツマイモ栽培での除草は、雑草の発生状況を確認し、こまめに畦あげするのがコツです
無農薬栽培者にとっては雑草問題は一番の課題ですね。私の畑の場合と一般的なケースの両方をお伝えします。
まずは私の畑のことを申し上げます。私は約1000株ほどを栽培しており、紅はるかを含めべにまさり、ムラサキマサリ、オレンジ芋のアヤコマチ、すいおうなど5品種ほどを栽培しています。
定植は5月中旬からほぼ1カ月かかります。無マルチ(マルチングはしていない)です。ホー(鍬に似た農具)で除草や畦あげを行っています。
4月に入り施肥(木灰を使用)し、早めに低い畦を作りはじめ、雑草を発芽させ、それから土を盛って高畦にします。
雑草の発生状況を見ながら、ホーを使って2回ほど培土をします。ツルが畦間まで伸びてくれば、小さな雑草は覆われてしまうので、もう培土はしません。
あとはツルの上にまで長く伸びた雑草だけを歩きながら見つけ、引き抜いて取り除くだけです。
身体に負担のかかる腰を曲げてやるような除草作業は行いません。いまでは多雨の年であっても培土だけで除草は完璧です。ただし、ここまでになるためには3年間の辛抱が必要です。
つぎに一般的な雑草防除のお話をしましょう。無マルチではなく、光を通さない黒マルチをしてから定植し、畦間に除草剤を2回ほど散布します。定植時期は雨が多いので半日くらい雨が降らない時期に散布してください。
農薬を使う場合は、雑草の種子を残さないことが重要です。定着してしまうと、生き残った根や地下茎から繁殖するので退治が大変です。収穫後の畑、さらに畑の周辺部分の管理にも気を付けてください。