農業学校を卒業した後、露地栽培で野菜を育てて10年ほどになります。年間を通じて少量多品目の野菜を育てることを心がけています。
住宅地に農地があるので、農薬や化学肥料はできるだけ使わないようにしており、「東京都エコ農産物」の認証も受けています。
ここ数年、サツマイモの注文が増えているので、新しい品種の栽培にも挑戦しようと考えています。
今は農薬を使わずに「べにはるか」を栽培しており、11月前半に収穫した後、定温貯蔵庫で温度15度程度・湿度90%の環境で1カ月ほど熟成させて出荷しています。
サツマイモは、次々と新しい品種が開発されるので選び方がわかりません。選ぶための基準など、アドバイスをお願いします。
(東京都・濱田さん/仮名・30代)
山川 理
山川アグリコンサルツ代表、農学博士
サツマイモの品種は、特性を比べてみて、興味があるものを選びましょう
サツマイモの世界では、毎年のように新品種が開発されるので、栽培される方は何を作ったらよいか迷うことも多いかと思いますが、品種を比べて自分に合ったものを見つけるという体験も貴重ですね。
現在の主力品種は、ご相談者さんも作っている「べにはるか」「安納芋(紅コガネ)」「シルクスイート」が中心ですが、「高系14号」や「ベニアズマ」などの古い品種もまだ残っています。
最近では、「あまはづき」のように収穫してすぐにも甘くなる品種、紫系のなかでも食味の良い「ふくむらさき」などといったユニークなものもありますが、この品種の栽培は少し難しいですね。
またホッコリ系の「栗かぐや」のような古いタイプの新品種も復活してきています。
ネットリ系かホコホコ系か、有色系にするか、興味のあるものを選んで下さい。
基腐病が心配ならば、抵抗性があるホッコリ系の「紅まさり」がおすすめです。健康・機能性を求めるならオレンジ系の「アヤコマチ」がよいでしょう。