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台風で収入が不安定。椿の実を安定して生産するにはどうしたらいいですか?

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台風で収入が不安定。椿の実を安定して生産するにはどうしたらいいですか?

東京都の利島で、椿油などに使用する椿を夫婦で栽培しています。椿での年収は平均して100万円に届かないくらいです。

ただし、台風があった年などは収穫量が激減し、収入が減ってしまうのが困り物です。

私たちは年金があるからまだ救われているとしても、これでは若い方が就農するはずがないと思っています。

毎年安定的に収穫できたらいいのだが……、と考え続けても自然が相手なので答えが出ず、この年齢になってしまいました。今からでも何かできることはあるでしょうか。
(東京都・松原勝子さん/仮名・70代)


A.B.先生

農業経済学が専門の大学の名誉教授

次世代の力を借りましょう!そのためにも、自治体や島内の人への働きかけを

椿油は伝統的なものであり、食べ物や化粧品などに自然由来の成分が注目されているこの時代に、これからもっと需要が増えるはずの作物です。

椿油の生産は利島以外の地域でも行っていますが、利島の場合は「神代椿」というブランドで、JAが生産や販売を支援していますし、完熟したオーガニック栽培であるなどの点で、品質が良い美用オイルとして化粧品会社も注目しています。相談者さんも農協とよく相談されて、生産方法を改善してください。

農業分野はどこも高齢化が問題になっていますが、利島のWebサイトによると、令和2年1月時点で、高齢化率は約25%と全国平均並みですが、20代〜40代の約8割がほかの地域からのIターンで近年移住者が増えていると聞きます。

また、15歳以下の年少人口については約19%と全国平均(約12%)を上回っているというデータがあります。これは希望が持てる要素だと思います。

若い人(49歳以下)は、農水省の「人材投資資金」が利用できます。最初の3年間は毎年150万円支給され生活費や農業に充てることができ、のちの2年間は年120万に減りますが、その間に農業で収入を増やすのです。

夫婦だと2倍まではいきませんが150万よりは多いです。農業を継続しないと返還になりますが…。明日葉など、島の特徴を生かして、売り方も工夫すれば、農業収入を増やすことも可能です。

また、利島には民間の不動産屋がいないので、移住者は村営住宅に入居するしかないと言われています。村営住宅に住むには利島に住所があることが条件ですが、新規就農、これなら、村営住宅への申請資格も取れるはずです。

住宅問題は、まず、外から人を呼ぶことを業務にしている自治体の担当課に相談します。農業担当課よりも熱心に探してくれるはずです。

高齢化により生産量が減っているなら、やはり次世代を呼び寄せるのが打開策です。伝統ある椿油産業を続けていくためにも、島内の皆さんで働きかけてみてはどうでしょうか?

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