ハウスでトマト栽培をしている者です。
ここ最近、台風の大型化が影響しているのかハウスの一部が壊れたり倒壊するようになりました。
これまで自分なりの補強や対策でなんとか乗り越えてきましたが、そろそろ限界を感じています。
破損や倒壊したときの保険やハウス補強のための助成金があることを知ったのですが、今後長く農家を続けられるかもわからないので、今から保険に入るべきかも悩んでいます。
もし加入するにしても保険の種類がたくさんあり、どれが最も適切なのか判断が難しいです。
このような状況なのですが、保険に加入したほうが良いのか、また、もし加入するならばどういった保険に入るのが効果的なのか教えてほしいです。
(熊本県・羽多野善一さん/仮名・60代)
K.K.さん
元JA職員
年々増加する天災に備え、1年単位で加入できる保険がおすすめです
相談者さま同様、昔は大事にならなかったことも、気候変動により大きな被害を受けるようになった農家さんも増えてきたのではないかと思います。
特に台風が大型化し、ハウス倒壊のニュースもよく耳にするようになりました。
相談者さんは60代での保険加入を危惧していらっしゃいますが、万一のことを考えると、今からでも保険に入っておくことをおすすめします。
私が個人的におすすめするのは、NOSAIの「園芸施設共済」と、農作物による「収入保険(果樹共済・畑作物共済など)」のセット加入です。
収入保険は青色申告をしている方のみ加入可能であり、白色申告の場合は園芸施設共済のみ加入できます。
期間は1年単位の掛け捨て方式のため、将来的に農業を辞める可能性がある方も、安心して利用できると思います。
そして、共済掛金の50%は国が負担してくれるため、負担が少ないのも魅力的です。
加入条件は、所有または管理するハウスの合計面積が200㎡以上(ガラス室ハウスは100㎡以上)の農業者であること。
また、本体・被覆物(ビニール等)・附帯施設、全て加入しなければならず、部分的な加入はできません。
また、被害発生の通知を怠った場合や、故意又は重大な過失によって生じた損害、盗難またはいたずらによる損害、自然消耗によって生じた損害は対象外となるなど細かい規約がありますので、ご注意ください。
台風に限らず、「大雪によるハウスの倒壊防止のためにビニールを破いた」というような、被害を最小限に食い止めるための損害防止処置も補償対象になります。
ただし、事前にNOSAIへの連絡が必要ですので、その点もご注意ください。
覆っていないビニールハウスでも連作障害防止などの理由で加入ができ、通常より安価になるといった特徴もあります。
補償の基準となる評価額は、購入時の価額ではなく、減価償却を踏まえた時価で決まります。
施設本体や附帯施設については、加入時の選択により耐用年数内であれば100%まで、耐用年数後の場合は75%まで引き上げることが可能です。
補償金額(共済金額)は、評価額に対して40~80%の範囲で加入者が選択した補償割合に応じ補償されます。
具体的な共済金額は、それぞれの農家さんの規模によっても異なりますので、NOSAIの担当者に実際に来てもらい、見積もりしてもらうのが良いかと思います。
将来のことも話したうえで、どれくらいの補償が適切か相談してみてくださいね。