長野でアスパラガス農家をしている40代です。数年前に、農協が主催するSNS講座に参加し、Facebook(フェイスブック)を始めてみました。
うちのアスパラガスのファンになってもらったり、直売所で売り上げが伸びるといいなと、しばらく更新を続けていましたが、フォロワー数が伸びず、反応も薄れてしまったので、すっかり放置状態です。
それまでSNSをやったことがなかったので、何を投稿すればよいのかわからず、マンネリ化し、魅力的な内容になっていたのかもしれません。
我々は同業者や出荷先とのやり取りから野菜作りのアドバイスやヒントを得ることが多いのですが、その先の消費者の声を聞く機会はほとんどありません。お客さんがどんな感想を持ち、どんなことを望んでいるか聞いてみたいです。
そのためにも、改めてSNSを活用したいのですが、どのサービスが効果的でしょうか。また、文章や写真、動画制作のコツや学び方も知りたいです。
(長野県・小林重則/仮名・40代)
山岸直輝
株式会社MISO SOUP
続けやすいSNSで毎日発信!食べチョクなどのレビューもニーズをつかむのに有効
SNSの活用は大切ですよね。SNSはすでにつながっているお客様とのコミュニケーションツール(手段)としては有効ですが、新しい顧客を得るためには特別な発信をしない限り難しいと考えています。ですから、まずはお客様と深くつながり「ファン」になってもらうことが第一歩です。
ファンだからこそ農家さんの発信や配信をシェア(共有)したり、感想を投稿したりするものです。だから、見込みのお客さんへ向けてではなく、特定のお客様の顔を思い浮かべて「手紙」を書くように発信してはいかがでしょうか。
ご自身で熱く伝えるからこそ人の心に響くもので、代行サービスは「代筆」となるためおすすめしません。忙しいなら無理のない方法で十分です。
いまは写真、動画、文字、音声などさまざまな方法で発信できるため、届けたい気持ちさえあれば、1日1分でも時間を作って続けられるはずです。どのSNSが効果的かについては、「自身が続けやすいSNS」が答えです。続けることがファン獲得のコツであり、ネタが尽きたら自分や地域のことでもいいです。
お客様の声からは、多くのヒントが得られます。SNSの反応を待つだけでなく、「食べチョク」や「ポケットマルシェ」などの産直サービス(生産者が消費者に直接販売できるインターネットサービス)では、「ごちそうさま投稿」と呼ばれるレビュー(消費者が生産者を評価する機能)が盛んに投稿されています。意見がほしい商品を出荷してみると、さまざまな意見が聞けると思いますよ。
農業女子プロジェクト
農林水産省
文章だけでなく、写真や動画を交えた発信で投稿を広くアピール
生産者の中には、上手にFacebookやTwitter、InstagramなどのSNSを使いこなし、商品の紹介や活動の紹介をする方が増えてきました。
私たちは、文字だけでなく写真や動画なども交えて、視覚的に伝えられる記事を意識して作成しています。
文字だけの記事だと、SNSを使っている人たち(消費者)にアピールするのは難しいのですが、こうすることで、投稿した内容が多くの方の目に留まる機会が増え、発信したい情報を見てもらえると考えています。