原木しいたけの栽培をしています。原木しいたけの栽培は、原木を伐る、培養期間の伏せこみ、培養終了後の原木組み込み、といった手作業での力仕事が多いのです。
私も62歳になり、原木しいたけを栽培するのが年々きつくなってきました。
大分県は原木しいたけの栽培が盛んな県ですが、農家の高齢化で原木しいたけを栽培する農家も減少し、問題になっているようです。
私も長く続けることはできないと考えていますが、私のノウハウは次の世代に引き継いでいきたいと思っています。
息子が2人いるので跡を継いで欲しかったのですが、子供たちの希望でほかの仕事をしています。
自治体にお願いをして求人を出したこともありますが、応募すら来たことは一度もありません。
意欲的な方であれば、特に条件を設けずに継承したいと考えています。どうやって探せばいいのでしょうか?
(大分県・伊藤修さん/仮名・60代)
山下弘幸
株式会社農テラス代表取締役、農業経営戦略家
譲渡条件に「栽培技術指導付」と示して公募すると、スムーズな事業継承に繋がります
第三者事業継承をどうやって探すのか?についてお応えすると3つの方法があります。
1つ目は、行政自治体(県農業会議所という部署)へ打診する
2つ目は自社サイト、SNSなどで情報公開する
3つ目は知り合いのつてで頼む
という方法です。
すべてにおいて「どのくらいの規模か 、どのくらいの収量が見込めるのか 、どのくらいの収益になるのか」を伝えてあげましょう。
また、質問者さんのような経験者が、後継者に対して技術指導を行うなどの条件を付ければ、さらに効果的です。
例えば熊本阿蘇のある農家では自分の農園と土地、技術をセットにして売りに出しました。
すると、すぐに農業をやりたい企業が手を挙げて マッチングできました。
それから2年間素人のスタッフに技術を教えて、今年見事に事業継承できています。
このように、 まずは条件を出しましょう。そうでないと情報が伝わりません。
次に公募しましょう。必然的に意欲のある人が手を挙げてくれます。インターネットでの公募はパソコン、スマホの操作が難しい可能性があるので 農業会議所にご相談してください。
そして技術を教えてあげましょう。その方が継承はスムーズにいくのです。ご自身で教えることが難しい場合は、県の普及センターもしくは地元の農協に頼めば対応してくれるはずです。