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子供に「家業を継いで欲しい」と言うべき?言わない方がいい?

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子供に「家業を継いで欲しい」と言うべき?言わない方がいい?

岡山県で米農家をしています。

うちにはまだ保育園の息子がいるのですが、当然家業を継いで欲しいという願望があります。

でも、それを言うことで息子の人生を狭めてしまうような気もします。

シンプルな質問ですが、「家業を継いで欲しい」という思いは伝えるべきでしょうか、それとも言わない方がいいのでしょうか?
(岡山県・庄司大輔さん/仮名・30代)

伊東悠太郎

水稲種子農家

気持ちは伝えるべき。子どもから「継ぐ」と言ってきてくれるために、今できることを

私の考えでは、何らかの思いがあるのであれば「伝えるべき」です。これはプロポーズと同じだと思います。

「僕はあの子が好きなんだけど、伝えようかどうしようか、う~ん」という状況と似ていますね。気持ちを伝えなかったら後悔するでしょう。

大事なのは、選択権は相手にあるということですね。ましてや憲法22条では職業選択の自由が保障されています。どの職業に就くかは選ぶ権利があるわけです。

これもプロポーズと同じ。「僕と結婚しなさい」と言う人はおそらくいないと思いますが、やはり「僕と結婚してください」が普通でしょう。とすると、相手に選択権があるわけですね。

プロポーズを唐突に思いついて実行する人はほとんどいないと思います。

「付き合い始めた記念日に、初めてデートに行った場所で、暗くなって夜景が見える時間に、花束と指輪と手紙を用意して」などと、シチュエーションはばっちり考えるはずです。

「返事はイエスか、はいか、喜んで」と言う言葉が好きなのですが、要は断れない状況を作ってしまうというのも大事だと思います。それはもう戦略ですよね。

そして、お子さんがまだ保育所ということで我が家と同じですね。

「まだ子どもが小さいから継ぐかどうかっていう話はまだちょっと…」という方がほとんどでしょう。

それなら、いつ伝るべきか?小学生でも早い、中学生でもまだ早い、高校生になったらそろそろかな?大学に行ってから?就職してから…?

少なくとも、進路選択の時点で農業が入っていて欲しいと思えば、中学生くらいでしょうか。

とはいえ、中学生くらいの段階で「継ぐか継がないか決めなさい」というのはさすがに無理があるので、「お父さんは、継いで欲しいという思いを持っているよ」くらいでいいのではないかと思います。

気持ちを伝えるのは1回だけとは限らないということです。高校進学、大学進学か就職、成人式などのタイミングなど、複数あっても良いのだろうと思います。

中には、プロポーズの結果、「お友達から」というケースもあるでしょう。

私の今のプランで行くと、息子が高校進学を考える段階で1回目の思いは「軽く」伝えたいと思っています。

次は大学進学か就職かによって大きく変わると思いますが、そこで2回目の思いを「強く」伝えたいと思います。

大学進学は恐らくどういう学問を選ぶかによって職業選択に大きく関わってくると思いますし、就職も同様です。

そこで即断即決してくれたら嬉しいわけですが、実はそうはならないだろうとも思っています。

最終的には息子が30歳になるタイミングまでに継ぐかどうかを決めて欲しいと言おうと思っています。

私のように大学は教育学部、卒業して就職、10年ほど働いて就農というケースも良いと思っています。農業以外の視点、経験を持つことも非常に重要だと考えるからです。

さまざまな経験をし、広い視野を持った30歳の時点で、覚悟を決めて欲しいと思っています。

そこで継ぐとなれば、とっとと経営権を譲って、私は悠々自適に暮らしたいと思いますし、継がないということになれば、第三者承継に向かうのか、地域の集落営農や農業法人に託すのかなど、次善策を検討したいと思っています。

ただ、先ほども言った通り、「息子よ継げ」とは言いたくないと思っています。

息子が自発的に「親父よ、継ぐから」と言ってきて欲しい。そのために今何ができるのかということを考えています。

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