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稲わらやもみ殻を枝豆栽培のマルチとして使う場合、敷き詰める厚さはどれくらい?

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稲わらやもみ殻を枝豆栽培のマルチとして使う場合、敷き詰める厚さはどれくらい?

米づくりを主体に、転作田で枝豆を栽培しています。

田んぼは暗渠排水がしっかり整備されているので湿害の心配はなく、低く畝(うね)を立て、除草対策のために黒のポリマルチを敷いて育てています。

最近は農業でも脱ビニールが注目されていて、使っているポリマルチを捨てる時にはJAから有料ゴミ袋を買って廃棄しています。

そこで、今後はポリマルチの使用をやめて有機マルチにしようかと思っています。

幸い米づくりをしているので、豊富にある稲わらやもみ殻をマルチに使おうかと考えています。

枝豆をつくる転作畑は3反ほどですが、マルチとして使う場合に、稲わらやもみ殻はどのくらいの厚さに敷き詰めるのが良いのでしょうか?
(埼玉県・鈴木俊樹さん/仮名・50代)

櫻井杏子

株式会社INGEN 代表取締役

遮光効果を得るために5センチ程度敷き詰める必要があります

黒マルチは遮光性がよいことから、雑草の防除対策によく使われています。

一方、稲わらやもみ殻は黒マルチに比べると遮光性は劣るものの、5センチ程度に厚く敷くことで、ある程度の雑草抑制効果があるという研究結果があります。

この研究結果によると、遅く定植したマルチ区で雑草抑制効果が顕著に見られることから、稲わらやもみ殻を使ってマルチする際には、雑草が伸びる前に枝豆が育つように、定植時期を遅くするなどの工夫が必要なことがわかります。

したがって、大豆を早生栽培したい場合には、保温効果や雑草との競合を考えると黒マルチの方が適しています。

黒マルチとしては脱ビニールの観点で考えれば、生分解性のものがよいでしょう。

一方、晩生栽培の場合には稲わらやもみ殻でも効果が期待できると思います。その場合、マルチの厚みは5センチ以上が理想です。

なお、生分解性マルチは素材の性質上、長期間の在庫ができないため、各メーカーとも軒並み価格は高めです。

ただし、廃棄するための人件費がかからないメリットはあります。

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五十嵐大造

東京農業大学国際食料情報学部 国際食料情報学部(前教授)

有機マルチは抑草だけでなく、さまざまな効果が得られます

雑草の種子は光に反応して発芽します。

黒のビニールマルチが抑草効果を発揮するのは光を遮るからです。

稲わらやもみ殻で黒マルチと同等の除草効果を得るためには、土の表面に光が届かないようにしっかりと覆うことが大切です。

したがって、かなりしっかりと厚く敷き詰める必要があります。

また、稲わらやもみ殻は強風によって飛ばされたりするため、敷き詰めた後も必要に応じて補給してやる必要があります。

稲わらであれば、「スズランテープ」の名前で知られるビニールテープとピンで飛ばされないように押さえつけておく方法があります。

スズランテープはポリエチレン製なので脱プラスチックの考えに反すると思われるかもしれませんが、栽培終了後に回収して再利用することも十分可能です。

稲わらやもみ殻を利用したマルチは、強い雨のときにも土の跳ね返りがなく、栽培する野菜が汚れたり、病気感染の原因になったりすることも防ぐことができます。

また、夏の地温上昇を緩和する効果も期待できます。

最終的には有機物として畑にすき込んでやればよく、長い目で見ると土づくりにとっても有効だと思います。

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