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もみ殻で「くん炭」を作りたい。安全な作り方を教えて。

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もみ殻で「くん炭」を作りたい。安全な作り方を教えて。

最近は動画でいろいろな生産者の農業の方法を見ることができるので、よくYouTubeを見ています。

「もみ殻を低温で焼いて、自家製のくん炭を作って土壌改良剤にしている」という動画を見たことがきっかけで、くん炭に興味を持ちました。

実際に自分でも作ってみようと思い、市販の無煙炭化器(直径1メートル50センチほど)を購入。

知り合いの米農家からもみ殻を貰って、雑多な枝などを混ぜて作ってみましたが、思いのほか火力が強く、火の粉が舞い上がって閉口しました。

ウチの畑は住宅地にあるわけではありませんが、火の粉が飛び散って火災などを起こしたらと思うと怖くなりました。

どのようにしてくん炭を作ればいいのか、注意点も含めて教えていただけませんか?
(神奈川県・権藤さん/仮名・40代)

京都丹波もん

京都丹波もん

専用のくん炭器もあるが、自作も可能。ドラム缶と併用して、安全かつ密閉できます

京都丹波の南丹市で、若手農業者が集まって作る「京都丹波もん」で常務をつとめている篠山 直也です。食肉用の地鶏「匠京地どり」と「京美どり」の養鶏と一緒に、野菜や米を生産しています。

もみ殻はそのままでも畑の表面に敷き詰めてマルチとして使ったり、牛舎の敷き藁として使えますが、くん炭(燻炭)にすることで、ミネラル成分が溶け出しやすくなり、土壌改良材として使えます。購入もできますが、多くの生産者が米農家さんから分けていただいて、自作するのが一般的です。

編集部から相談を受けて、京都丹波もんの代表の堤とメンバー全員に、どうやって作っているかを聞き取り調査してみましたので、その結果を踏まえてお答えしたいと思います。

もみ殻くん炭と言っても、農家によって作り方はいろいろと異なりますので、今回は代表的な3つの方法を簡単にまとめました。このなかから、相談者さんに一番適した方法を試してみてはいかがでしょうか?

A密閉型くん炭器を使用する方法:
 専用のくん炭器を使って、酸素が入らないよう密閉するため、一番きれいで、確実に作ることができる方法です。
 最初に火付けして、燃焼が進むと支えの棒が炭化して折れることがで、蓋が閉まる仕組みとなっています。

B手製のくん炭器を使用する方法
山積みにしたもみ殻のなかに、煙突をつけたくん炭器を設置して、内部に藁を詰めて火をつけたうえ、さらにもみ殻を重ねて蓋をした状態にして使用します。

ステンレス製のくん炭器をネット購入する人もいますが、手持ちの一斗缶に煙突代わりにパイプをつけた簡易くん炭機を自作する人もいます。もみ殻でくん炭器を覆うことで、くん炭ができるのですが、このやり方だと、風が吹くと燃え上ったり、飛んでいったりするので、住宅街で行う場合は、注意が必要です、煤が飛んだり、煙が出るなどのデメリットはあるのですが、一度に大量に作れるのが魅力です。

C ドラム缶とくん炭器を合わせて使う方法
要らなくなったドラム缶(200ℓ用)の内側に、Bのくん炭器を入れて、最後に水をかけて、密閉して仕上げます。もみ殻を山積みにして作るBよりも安全な方法です。

京都丹波もんのメンバーは、大まかに分けて上記の方法でもみ殻くん炭を作っていることがわかりました。

どの方法も風のない時を狙って、できれば雨が降った後に行うなど、火災には十分留意することが重要です。

余裕があれば市販品を購入するのも良いとは思いますが、自作のいいところは、仕上げを自分で調整できるところです。

完全に炭化させず、わざとまだら状態(マーブルと呼んでいます)に仕上げることによって、違った効果を狙って使われている方もおります。

ご相談者さんの言っている「無煙炭化器」が、もし私の知っている商品であれば、その器具は、伐採した竹や剪定枝などを炭化するもので、もみ殻には対応していなかったように思いますので、確認してみてください。

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