代々続く米農家です。可能な限り農薬を抑えて、除草などは時間をかけながらも人力でやるようにしています。
田んぼでは脱穀できるコンバインが大活躍していますが、数年前までは祖父が、脱穀できない旧型のバインダーで刈り取りを行い、自家用の米は天日干しで作っていました。
今はもうバインダーの出番もなくなり、処分しようかと考えていたところ、妻から「天日干し米を販売してみるのはどう?」と提案されました。
正直、天日干しの工程は時間も手間もかかるので、これ以上仕事が増えるのはしんどいのですが、やってみる価値もあるかなと考えています。
天日干し米は機械干しと比べて格段に旨いので、数量限定ならば事業としてうまくいくかもしれません。
もしやるのであれば、ターゲットは食への意識が高い女性に絞りたいと思います。
パッケージや販路などを工夫して、限定品としてネット通販に挑戦したいのですが、どうしたらいいでしょうか?
(熊本県・富永さん/仮名・40代)
松田恭子
株式会社結アソシエイト 代表取締役
オーナー制度による天日干し体験など、工夫や自分なりのマーケティングを
おすすめの販売方法は、オーナー制度による収穫・天日干し体験です。私自身、棚田オーナー制度に参加した楽しい思い出があり、後でお米を送ってもらうのを心待ちにしていました。
体験販売は、天日干し米の魅力を伝えるには最適だからです。天日干し米は手間がかかる分高価なため、普通の高価格商品と何が違うか、その魅力を理解してもらう必要があります。
天日干し米の魅力は、質問者様がおっしゃる通りに「おいしさ」ですね。「なぜ」「どのように」おいしいのでしょうか?
お米のおいしさについては、トータル的な指標として食味値があります。ちょっと科学的な話になると、タンパク質や水分、アミロースや脂肪酸化度、繊細な部分ではアミノ酸含量なども関係してきます。成分分析などをして、天日干しにより数値に変化があるのか比較するのも一案です。
そこまでできないなら、感覚的な違いを考えてみましょう。
炊きあがりのご飯粒の形、色つや、甘み、香り、食感などの違いを試食してもらうのもいいでしょう。
また、おいしさの違いはなぜ起きるのでしょう。
それは、機械乾燥に比べ、ひび割れしにくくなるためなどといわれます。
こうした情報を一から用意するのは大変なので、まずは近隣で収穫体験に興味がありそうな人を集めて、サービスという形で販売し、反応を見てネット販売や小売店への提案に挑戦してはいかがでしょう。
デザインについては、ターゲット消費者のイメージをさらに掘り下げてみましょう。例えば、食への意識が高いく離乳食も手作りした女性、健康や美容に敏感でヨガが趣味の女性、食の安全を意識して買い物するシニア女性などです。
それぞれのケースごとに、普段接する情報や集う場所、心に響く言葉が違うはずです。どのターゲットをメインにするかで、デザインも絞られます。ターゲットの属性をリサーチしながらデザインを考えてみましょう。
黒ねこ
作業内容などユーチューブで宣伝してみてはどうでしょうか?農業以外でも漁業などでもユーチューバーになられている方もいまs。