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引退する父から田んぼを引き継ぎました。米作りの稲の分けつ時期の追肥は、尿素でも良いのでしょうか?

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引退する父から田んぼを引き継ぎました。米作りの稲の分けつ時期の追肥は、尿素でも良いのでしょうか?

実家が農業をやっているサラリーマンです。農業は、米づくりの繁忙期に週末だけ手伝う程度でしたが、今年から父が高齢でリタイアするので、2町歩(約2ha)の田んぼを引き継ぐことになりました。

これまで日常の管理は父に任せきり。追肥のことも今回初めて知ったくらいで、ほぼ初心者と変わりありません。

父からは、田植え後1カ月ほどして稲の分けつが盛んになる時期には硫安を、出穂15日前には尿素を追肥するように指示されています。

ただ疑問なのは、単純に窒素分を施すということならば、硫安よりも尿素のほうが窒素分も多く、撒く量を減らすことができて、結果として肥料代も安くなるのではないかと考えています。

稲の分けつが盛んになる時期の追肥には硫安ではなく、尿素でも良いのでしょうか?教えてください。
(岡山県・井上貞美さん/仮名・50代)

佐々木茂安

日本のお米をおいしくしたい。佐々木農業研究会代表/農業経営技術コンサルタント

稲の追肥は、気温に合わせて、高い時は尿素、低い時は塩安や硫安などを使い分けてみてはいかがでしょうか?

肥料の種類はそれぞれ特徴があり、知っておくと良いでしょう。

窒素施用を目的とする肥料には、化成肥料として、アンモニア態窒素の▼硫安(硫酸アンモニウム)か、▼塩安(塩化アンモニウム)、そして硝酸態窒素を含む化成肥料として▼硝安(硝酸アンモニウム)がありますが、これらはイオン化して溶けるので硫酸部分、塩素部分も吸収されて利用されます。

一方で、尿素は電気的に水にくっついて溶けます。稲の根がイオン化していると吸収され、尿素はそのまま吸収されないと言われています。

尿素は微生物で分解され、アンモニア態窒素に分解されて吸収されるようです。

近年、植物の栄養成分の利用は、“吸収と浸透”があること、“微生物が関与”していることなどが指摘されており、必ずしも先の説が正しいとはいえませんのでご注意ください。

さて、尿素は微生物分解が絡むことで、微生物が活性化することがポイントとなります。微生物は温度が高い時に、活性も高くなります。

冬に施用すると顕著に差がでますが、冬に尿素を使用しても、入れた窒素の量ほど効いていません。つまり、温度が「低い時は塩安や硫安」、温度が「高い時は尿素でも良い」と説明することができます。

気温の状況は毎年変わり、温暖化により早く気温も上がるので、状況をみて選択する方法もあります。さらに、近年、塩安系肥料の多用によって、硫黄欠乏がニュースとなっておりました。

不安な場合は、硫安を使用しておくのも良いと思います。

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