兼業農家です。
普段は非常勤で働きつつ、週3、4日は農業を営んでいます。
今年は異常気象もあってか、いつも以上に田んぼでヒエが発生して困っています。
隣の休耕田にヒエが生い茂っていることもあってか、なかなかヒエ対策がうまく行きません。
結局、ヒエを完全に駆除できず、手作業で取っています。
近くの農家さんから水管理が大事だと言われ、うちの田んぼでも水位をきちんと保てるよう、畔を高くし、畔シートを付けたりし、水を保てるようにはしています。
しかし、ほかにヒエの防除に関する注意点や、除草剤のまき方、ヒエを抜く負担を減らす方法があれば教えていただきたいです。
(鳥取県・穂積さん/仮名・70代)
伊東悠太郎
水稲種子農家
ヒエの種の数を減らす、水量に注意する、除草剤を見直すなどの対処をしましょう!
ヒエに限らず、雑草が生い茂った圃場に対応する大変さは身にしみてわかります。特にヒエは発生量が多い、日本の代表的な雑草です。
ヒエが多発する圃場では、まず種の数をいかに減らすかが重要と思います。
今シーズン中に、既に抜き取ったヒエは畦畔や圃場入口には置かず、圃場外に持ち出し、焼却処分をしてください(野焼きは各地域の指導に従ってください)。
また、秋の収穫後、耕起作業で土壌表層に落ちた種子を地中深くにすき込んでください。
春の代掻きも重要です。除草剤がしっかりと効くためには圃場の均平やトラクターのタイヤ跡などが付かないように丁寧に作業をする必要があります。
また、代掻きから田植えまでの日数は何日くらいでしょうか?日数が空きすぎると除草剤散布前に雑草の生育が進んでしまい、除草剤の効きが悪くなります。
水田の水口、水尻、畦畔のモグラの穴から水が漏れないようにすることも大事です。また除草剤散布後は5~7日間は落水禁止、かけ流し禁止です。
とにかく除草剤散布後は水位を保って、田面に除草剤の処理層を作る必要があります。漏水は除草剤の成分が流出してしまうので、効果が落ちてしまいます。漏水はいつでも発生しますので、できる限り頻繁に畦畔を歩くなどして確認をすることがおすすめです。
ちなみに除草剤の成分や成分量は気にされたことはありますか?ヒエだけでなく他の雑草も含めて、どんな雑草に悩んでいるのかを踏まえて、成分や成分量を検討してみてください。
これまでお使いの除草剤とは違う成分に切り替えてみるのもひとつかもしれません。また最近では、色々な剤型(粒剤、豆つぶ剤、フロアブル剤、ジャンボ剤、顆粒水和剤等)が出てきています。
圃場の大きさや形によって、除草剤自体が拡散していないということも考えられます。
ヒエは3葉期までにしっかりと処理することが大事です。いずれにしても除草剤の選定については、お近くのJAでご相談いただくのが一番かと思います。