長野県北部の山間部で、年間を通して20品種ほどの野菜を、露地とハウスで半々くらいの割合で作っています。
畑は町内に3カ所あり、合わせて2haくらいの広さです。
畑では病害虫を防ぐために連作しないように育てているのですが、前作でスイートコーンを作った畑に、にんじんを植えたところ、センチュウが増えてしまったので、「オキサミル粒剤」を撒きました。
とはいえ、昨今は減農薬を望む声が高いので、今後はなるべく薬に頼らずにセンチュウ防除をしたいと思っています。
そこで、対抗植物(根の周辺でセンチュウを弱らせる植物)を休閑緑肥(作付けを休んでいるあいだに栽培する緑肥)にしてようすを見たいので、おすすめがあれば教えてください!
また、作物によって相性があるのなら、にんじんやごぼうなどの根菜類と相性がいい対抗植物が知りたいです。
(長野県・戸塚さん/仮名・50代)
和田美由紀
雪印種苗株式会社研究開発本部
エンバク野生種の「ヘイオーツ」を春から晩夏に播種して緑肥にするのがおすすめです
にんじんに被害をもたらすセンチュウは、「キタネグサレセンチュウ」や「ネコブセンチュウ」などが考えられます。
また、質問者さんはにんじん以外にも根菜類を作付けされているとのことですので、特に「キタネグサレセンチュウ」が問題になると思います。
したがって、対抗植物としては、エンバク野生種の「ヘイオーツ」をおすすめいたします。
なお、エンバクは播種時期(種子を播く時期)を守らないと、地域によっては冬枯れを起こすことがあるため注意が必要です。
質問者さんの圃場は長野県の山間部にあるそうなので、冬場は雪がたくさん降るなどとても寒い地域であることが予想されますから、緑肥「ヘイオーツ」の秋播き越冬栽培は難しいでしょう。
その場合でも、融雪後の春から酷暑を除いた晩夏まで播種が可能ですので、多品目のどこか隙間に導入してみてください。