小さな農園で露地野菜を栽培して3年ほどです。旬の野菜を多品目で育てています。
いずれは有機栽培で育てたいという希望を持っていますが、思った以上に化学肥料や農薬を使わないで栽培するのは大変です。
そのため、現在は農薬の助けを借りながら栽培しています。
できるだけ作物に農薬は使いたくないので、農薬の効力を把握して、最低限の農薬で対処したいと考えています。
しかし、農薬の効力を把握するには長年の経験が必要になるので、私の知識や経験ではまだまだ肌感で効果を測定することはできません。
そこで、先輩農家さんに聞いてみたところ「雨量計が目安にはなるよね。だけどあくまで目安」という助言をいただきましたが、詳細については教えてもらえませんでした。
確かに数字やデータとして効果を測定できれば、経験の浅い私でも、農薬の効力は把握できそうです。
そこで、どういった方法でデータをとればいいのか教えてください。
(埼玉県・日野さん/仮名・30代)
松淵定之
農薬工業会 安全広報部
農薬の散布前後で病害虫の発生状況を記録しておくと、次回にその病害虫を防除する時の参考になります。
使用した農薬がどの程度効果があったのかを調べる方法として、殺虫剤や殺菌剤の場合では、発生予察に用いられる病害虫の発生状況を、農薬散布の前後(後の調査時期は病害虫によって異なります)に調べる方法があります。
主な作物の病害虫についての発生状況、発病状況の調査方法は、日本植物防疫協会のホームページに掲載されています。
方法論をしっかり学習することが必要ではありますが、この方法は専門性が高いので労力的には大変です。
生産現場で実施するうえで、もっと簡単にできる方法としては、農薬の使用履歴を記帳する際に、散布前の病害虫の発生状況(小発生、中発生、多発生、甚発生、など)と、散布をした後の状況(良く効いた、ある程度効いた、あまり効かなかった、など)を一緒に記録する方法があります。
記録を続けていけば、どの農薬がどの程度効いたかを振り返ることができますので、次回にその病害虫を防除するときの参考とすることができると思います。
記帳については、農薬工業会のホームページに記帳の解説リーフレットがありますので参考になさってください。