私が住む集落の水田は、大昔に区画整理をしたので、一枚一枚の田んぼが10a程度と小さな圃場が多いです。
そのため、大型機械を導入できず、作業効率化もはかどりません。
また、水はけが悪いことで生育不良になることもあり、水稲以外の作物に適しているともいえません。
根本的な改善をするのであれば、水田整備を早々に始めなければならないと思います。
耕作放棄地も増えてきたので、畦畔(けいはん)を除去して圃場を拡大することや、暗渠排水といった対策を取りたいのですが、そのような取り組みを進める知恵も暇もありません。
少しでも動き出していきたいので、アドバイスをいただけないでしょうか。
(大分県・内海さん/仮名・60代)
大分県農業農村振興公社 農業農村振興課
大分県農業農村振興公社
農地バンクでは「人・農地プラン」に基づき農地を集積、集約しています
国は「人・農地プランの実質化」を進めています。後継者がいない、遠方の所有者が耕作できないなどといった農地がどこにあるかを地図化(見える化)して、新規就農者や農地拡大を目指す認定農業者と結びつける取り組みです。
その中身は、「農業経営基盤強化促進法」に基づき、各都道府県の農地中間管理機構(農地バンク)を担う組織が、農地の集約・集積を進めるものです。
農地バンクは、農地を借り受け、必要な場合は基盤整備などを行ってから貸し付けます。そのため、担い手はまとまった農地を利用できるのです。
担い手は、法人経営、大規模家族経営、集落経営、企業などです。大分県においては、農業農村振興公社がその役割を担っています。
農地集積の具体的な流れについては、下記の通りです。
1)中間管理機構から事務委託を受けた都道府県内の市町村が、地権者(農地の出し手)と耕作者(受け手)のマッチング活動を行う
2)地権者と中間管理機構は「集積計画」、耕作者と機構は「配分計画」によって、それぞれの権利を設定する
農地バンクの役割は、国の進める「人・農地プラン」などに基づき、地域の農地を担い手に集積・集約化するソフト対策といったところでしょうか。
相談者さまが要望されている、畦畔除去や暗渠排水などのハード面は、国・県・市町村が事業主体です。現在耕作中の土地周辺で農地を探したいなら、最寄りの市町村農政課が窓口となります。
大分県農林水産部 水田畑地化・集落営農課
大分県
基盤整備の内容により使える補助事業や負担率が変わります
区画整理や畦畔除去などの基盤整備は、内容や規模により、どんな事業が活用できるかが決まります。
また、基盤整備の面積や事業費はどれぐらいか、補助事業により農地集積率がどれほど向上するかなどといったことに関して、要件があります。それにより、農家さんの負担率なども変わってきます。
さらに、基盤整備の規模によっては、農家さんだけでなく、地域の合意形成も重要になってきます。
こうしたことを踏まえ、基盤整備をお考えの際は、農地の所在する市町村の基盤整備担当課へお問い合わせください。