千葉で野菜農家の見習いをしている20代男性です。農家に憧れて師匠に弟子入りをし、現在は修行中(2年目)です。
さまざまな野菜と触れ合い日々充実感を感じながら暮らしていますが、今年は天候などいろいろな意味で試練の年となりました。
中でも、いちばん苦労したのが「オクラ」です。
オクラのネット入れもしんどかったのですが、それよりも生命力です。
朝、生えて収穫したはずなのに、夜にはまた生えているんです。1日朝と夜、2回収穫しないといけません。
収穫を怠ると大きり過ぎてしまい、しかも固くなってしまうので、売り物になりません。
手作業で摘むのも大事なことだと理解していますが、もしかして機械で収穫できたりするのでしょうか?
(千葉県・五十嵐さん/仮名・20代)
澤山岩重
オクラ農家
オクラは青物なので、機械よりも人の目が優れているように思います
私は昭和49年に鹿児島県指宿市でオクラの栽培を始め、現在は鹿児島県の農業支援策の一環で、指宿市で新規就農する方々への助言や指導を行っています。
私がオクラ栽培を始めた当初はビニールハウスもなく、トンネル栽培をしていました。
農薬もまだない頃で、寒さによる立ち枯れやセンチュウ被害には非常に苦労しました。
しかし、薬などが開発されたことで、作業がしやすくなりました。
若いオクラ農家への指導としては、技術的な点でいうと、例えば「丈だけ伸びてあまり実らないようなときには、最初は肥料少なめで状態を見ながら追加していく」といようなアドバイスをしています。
オクラの収穫は9~10cmをめやすに、間隔は短めに、とにかくこまめに収穫してください。
手がかぶれないよう、ビニール手袋に軍手を重ねて、袋ではなくバケツに入れていきます。
温度が高いとすぐ伸びてしまいますから、大変な作業ではありますが、経験を重ねて頑張ってください。
オクラ収穫の機械化についてですが、確かにITを駆使した新技術にも期待したいところではあります。
ですが、やはり青物なので「状態を見ながら判断する」という点で、まだ人の目のほうが優れているような気がします。
また、オクラ畑の面積は、この地域だと家族ふたりの手作業で30アール程度なので、導入には規模的な課題があるかもしれません。
ちなみに、指宿市のオクラは生産者がコンテナで農協集荷所へ出荷したあと、野菜をネットに詰める「詰め子さん」という補助機が活躍しており、地域の雇用創出にもつながっていますよ。