熊本県でオクラ栽培している農家です。オクラを栽培するようになって10年近くになりますが、今年は蕾の落下数が著しく、例年と比べて収穫量が激減してしまいました。
オクラは非常にデリケートな野菜なので、温度管理や害虫対策など種まきの頃から環境に気を配って育てています。
肥料や土壌もこれまでと変わらず同じもので育ててきましたし、然るべき時期に追肥もきちんと行いました。
農地内の環境は特に変わったことはないと思います。にも関わらず、これほど多くの蕾がいきなり落下してしまうのは初めてのことです。
原因が何なのか見当がつかず、今回質問させていただきました。考えられる要因があるとしたら何でしょうか。
また、対策方法があればアドバイスいただきたいです。
(熊本県・田口奨 さん/仮名・60代)
龍 慶介
てしまの苗屋/てしま農園
低温に弱いオクラ。昼夜の寒暖差を最小限にすることがポイントです!
一般的に、蕾落ちは肥料不足や肥料過多で起きることが多いです。ただ今回は相談者さんも追肥を適切に行い、農地内の環境や土壌に大きな変化がなかったとのことなので、おそらく日中と夜間の気温の寒暖差が影響していると思います。
2021年は全国的に気温の乱高下が多かったためか、同じような相談が当園にも多く寄せられています。
オクラは高温性の植物ですので、気温の低下に弱いのが特徴です。特に早朝と夜間の気温が15℃を下回る環境と蕾の付く時期が重なると、かなりの量が蕾落ちします。
問題の原因が気温でしたら、おそらく同じ地域の他の農家さんも同じ悩みを抱えているかと思います。お仲間の農家さんや農業指導員の方がいたら同じように蕾落ちがあったかを確認してみてください。
気温の問題だけに、露地栽培では取れる対策に限界があります。
栽培品種を、比較的低温に強い品種に変更するというのもひとつの対策法です。
それ以外での栽培面の対策としては、気温低下が予測される時期の早朝や夜間だけでもトンネル掛けをするのが効果的かと思います。
栽培時期は気温も地温も取れると思いますので、朝晩だけ簡易的に覆うだけでもプラス5度程度の気温が維持できます。
ただし、トンネル内部が熱くなりすぎないよう注意してくださいね。昼夜の寒暖差が少なくなれば、蕾落ちは改善してくると思いますよ!