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保育園児の見学を受け入れる際に注意した方がいいことを教えてください

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保育園児の見学を受け入れる際に注意した方がいいことを教えてください

3年前から鳥取県にある土地を譲ってもらい、小さな梨農園を営んでいます。

自分の子ども達が通う保育園の先生方と仲良くなり、梨畑の見学を依頼されたので、応じることにしました。

年長さんの30人くらいの園児が見学にくる予定なのですが、万が一、梨畑で園児がケガをしたら、私が責任を負う可能性もあるのでしょうか?

また、保育園の活動には一般的に保険のようなものはかけられているのでしょうか?

心配性なもので気になってしまいました。当日、危険な農機具は片付けようと思っておりますが、他に注意した方がいい点があれば教えてください。
(鳥取県・柴田太一さん/仮名・30代)

中村雅和

いのしし社会保険労務士事務所所長/農業労災事務センター常務理事/社会保険労務士

事故が起こらないよう、危険を予知して事前に対策しましょう

園児のみなさんに農業のすばらしさや楽しさを教えることは、とても大切なことで、相談者さまの取り組みは素敵なことだと思います。

一方で、農業体験での事故の補償についてのご心配ですが、一義的には農業体験を計画した保育所に責任があると考えられます。しかし、相談者側に全く責任がないか、と言われると、そうとも言えないかもしれませんね。

「安全配慮義務」という言葉があります。これは、ある法律関係に基づいて特別な社会的接触の関係に入った当事者間において、当該法律関係の付随義務として当事者の一方又は双方が相手方に対して法令上負う義務のこと。

「ある法律関係」とは雇用関係だけにとどまらず、さまざまな関係に適用されることが想定されます。労働者を雇う事業主には法律で義務付けられていますが、労働者ではない場合でも安全配慮義務が問われるケースはあります。

したがって、相談者さまが通常行うべき安全配慮義務を怠って、そのために園児に事故が起こってしまえば、保育所側と共同で損害賠償請求をされることは十分あり得ます。

想定される事故としては、滑りやすい場所や作業時の転倒、梨の木のとがった部分での刺し傷、木の枝が顔などに当たっての擦り傷、熱中症などでしょうか。

そこでまず考えないといけないのは、事故が起こらないよう、予め作業内容や作業場所で起こりうる危険を予知して、それを防止するための取り組みを行うことです。まさに安全に配慮することです。

次に考えるのが、ご質問どおり保険を掛けること。一般的に保育所は園児のための傷害保険に加入していると思われますので、まずは保育所にご確認ください。

そのうえで、相談者さま側にも責任を問われることを想定し、観光農園などが加入する農業者賠償責任保険などをご検討されるといいのではないか、と思います。

あまり大げさに考える必要もないとは思いますが、相談者さまがご自分で農作業をしていて危なかったな、というようなことを防ぐ取り組みにもつなげていただければと思います。

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