佐賀県でみかん、りんご、梨などの果物を育てています。徐々に農園を広げていこうと考えていたところ、いいタイミングで耕作放棄地を格安で借りることができました。
しかし、耕作放棄地だけあって、さまざまな雑草が生え放題。イノコヅチ、セイタカアワダチソウ、オオアレチノギク、イヌホウズキなどは「ザクサ液剤」という商品を200倍ほどの希釈して散布して駆除できましたが、カラムシの駆除に苦労しています。
カラムシにも効果があるはずなのですが、枯れたと思ってもすぐに再生してきます。
雑草駆除をきっちり終わらせたらみかんを植えるつもりですが、強力な除草剤まみれの畑にするわけにもいきません。
しかし、中途半端な状態で苗木を植えると後から大変そうです。カラムシを完全に駆除するコツを教えてください。
(佐賀県・古賀さん/仮名・30代)
NPO法人 緑地雑草科学研究所
NPO法人 緑地雑草科学研究所
カラムシ根絶には、アージラン液剤を葉にたっぷり散布しましょう
カラムシは地下部も含めて生体量が大きいのが特徴です。農薬が利かない原因は、植物体内への薬剤の取り込み量が少ない点が可能性として挙げられます。もう少し濃度と散布量を増やしてみるのも一つの方法です。
カラムシ根絶の事例が明確なのは、アージラン液剤(有効成分:アシュラム)とJCハービック(TM)粒剤(有効成分:テブチウロン)です。
それぞれに使用する時期は異なり、アージラン液剤は生育期茎葉処理として、JCハービックは冬期(葉が枯れた後)に土壌処理として使用します。
JCハービック(TM)粒剤は土壌残留害が生じる恐れが高いので、特に栽培予定地での取り扱いには注意が必要です。
ご相談者様の場合はアージラン液剤での群落処理がおすすめです。目的は再生防止ですので、最も葉が多いカラムシの生育後期に、葉にたっぷり散布してください。
薬剤は葉から吸収されて地下部の生長点にも達し、地下茎を枯死させます。土壌に散布しても効果はありません。散布した年には効果は見られませんが、翌年以降の発生を抑えるのが特徴です。