夫が知人の休耕地を格安で3年契約で借りました。
しかし、タダ同然で借りたので、雑草もキレイにすると安請け合いをしたようなのです。
その休耕地には「ヤブガラシ」が広範囲に渡って生えており、駆除できず困っています。
夫が耕運機で耕して根切りをした後、私が地道に手作業で掘り起こして排除していました。
しかし、ヤブガラシの根はしぶといです。
手作業で排除しても根の断片はかなり残っているので、すぐに生えてきました。
このままだと満足に農地として使わないままになってしまいそうです。
「ぐるぐる巻きして放置」はあまり効果がなさそうで…薬剤もできるだけ使いたくありません。
何かいい方法はないのでしょうか?
(高知県・浜田さん/仮名・40代)
NPO法人 緑地雑草科学研究所
NPO法人 緑地雑草科学研究所
ヤブガラシは刈り取りすると増えてしまいます。駆除は根気強く複合技で
ヤブガラシは地下に太くて長い横走根(おうそうこん)を持っている多年生の雑草です。
冬季には枯れた状態となりますが、横走根には養分が豊富に貯蔵されており、春先になると芽を出してきます。
刈り取りで根が分断されると、分断されたそれぞれの根から萌芽(ほうが/芽を出すこと)が起きます。つまり、刈り取りでかえって増えてしまう厄介な相手です。
そのため、ご相談者さまには少々酷な言い方となってしまいますが、地下で拡がる多年生雑草に対して、「やってはいけないことをやってしまった」という認識となります。
なお、ヤブガラシを含め、雑草の防除には「これさえやっておけば良い」という方法は存在しません。
雑草の繁茂の状態や、土地の利用形態・利用目的などによって、取りうる手法は変わってくるという点をご理解下さい。
さて、ヤブガラシに対して取りうる手法は「冬季耕起」または「盛夏期耕起」です。
地下茎を分断するのは逆効果になる危険性もありますが、寒気や高熱に晒して枯殺して総量を減らしていく手法です。
目処として3年程の時間を要します。
続いて「薬剤の使用」です。初夏または耕起後の再生時にトリクロピル、2,4-PA液剤、グリホサートカリウム塩液剤を散布します。
冬季にはジクロベニル(DBN) を含む除草剤、トリクロピル、トレファノサイドの土壌混和がいいでしょう。
ただし防除効果を持続するためにも散布直後の植え付けは不可となります。
最期は「防草シートの使用」です。光合成の抑制と物理的な遮断で繁茂を防ぎます。
また、シートを部分的に使用して発生箇所を限定し、薬剤で除去する手法もあります。
駆除方法はヤブガラシの繁茂状態、土地の利用形態や利用目的などといった状況により異なってきます。いくつかの手法を組み合わせ、根気強く試してみてください。
なお、沖縄県ではさとうきび圃場に発生するヤブガラシが大問題となっております。
県を挙げて防除技術確立に取り組んでいますので、防除マニュアルを参考にしてみてください。