長野県で農業を営んでいます。以前は一般企業に営業職として勤めていました。ですが、農業に憧れを持ち、脱サラ。いまは理解ある地主さんから畑を借り、有機栽培で野菜作りに励んでいるところです。
しかし、隣接する畑では、別の農家さんが慣行栽培をしています。
先日、この隣の農家さんが除草剤を撒いたのですが、これがうちの畑にまで飛んできたようです。
その結果、私の有機野菜が一部影響を受けて、枯れてしまいました。
お隣さんなので事を大きくしたくありませんが、黙って見過ごすわけにもいきません。こうした場合はどんな対応が適切なのでしょうか?
(長野県・小渕さん/仮名・40代)
中村雅和
いのしし社会保険労務士事務所所長/農業労災事務センター常務理事/社会保険労務士
ドリフトの影響は重大なことなので、早急に農業担当部署へ相談しましょう
対象地外への農薬の影響について対策することを「ドリフト対策」と言います。ドリフト対策は農薬散布時には必ず考慮すべきもので、個人的には「常識」の範疇にあると思っていました。
農作物は市場出荷するときに、残留農薬の検査があります。そのため、ドリフト被害を受けた農作物から規定値を超える農薬が検出され、出荷できなくなることもありえます。
億単位の被害につながりかねず、「ことを荒立てたくない」などというレベルの話ではありません。
隣近所の農家さんのドリフト対策次第で、質問者さまだけでなく、その地域全体の農作物の信頼性を揺るがす事態にもなりかねません。
なるべく早めに、都道府県の普及センター経由で、あるいはお住まいの市町村の農業担当部署でご相談されることをおすすめします。