青森県の30代です。
高校卒業後は仕事を転々としていましたが、居酒屋で働いていたときに、新鮮な魚の旨さにすっかり魅了されました。
その後、心機一転して地元を離れ勉強や体験をし、漁協が主催する漁師体験にも参加しました。
今後は、研修生活を指導していただいた親方の船で漁師修業をする予定です。
最初は甲板員としての仕事をこなす日々となりそうですが、将来的には、独立して自分の船を持つことが夢です。
そうなると、「船舶免許」や「無線免許」などを取らなきゃいけないと思うのですが、どんな資格が必要なのでしょうか?
まだ心配するのは早いと思われるかもしれませんが、先輩にも聞きづらいので、簡単に教えてほしいです。
(青森県・太田英明・33歳)
武田誠一
東京海洋大学教授
「1級小型船舶操縦士」「海上特殊無線技士」に加え、漁業権が必要な場合も
漁船の乗組員として雇われている間は免許や資格なしで仕事ができますが、独立して1人で漁業を営むには、船舶免許などが必要となってきます。
質問者さんは将来、漁船を手に入れて漁師として活躍したいとのことですね。「個人事業主」として「総トン数20t未満の小さい船」で「沿岸漁業」に取り組む、という前提でご説明します。
まず、船を動かすためには免許が必要です。「1級小型船舶操縦士」と「2級小型船舶操縦士」がありますが、今後のことを考えると1級を取得しておくことをおすすめします。
県内のボート教室などで勉強するのが近道です。期間は3~4日間ほどで、費用はおよそ15万円と考えていただけば十分でしょう。
船の免許に加え漁師にとって大切なのが、海上での無線による情報交換です。「海上特殊無線技士」の免許を取得すれば、国内航海での無線の操作ができます。
石川県ですと、日本無線協会の北陸支部にて養成課程を開いています。免許取得までの知識・技量を身に着けるには2日間ほどで、費用はおよそ4万2千円です。
さらに、漁の内容によっては、漁協の組合員になったり、漁業の許可を受けたりすることが必要になる場合があります。漁業実績や住所地など、条件があることもあります。独立が決まったら、最新の情報を収集してください。