私は長崎県でまき網漁をしている者です。
毎日漁船に乗り、漁へと出ている中で、ふと疑問に思うことがあります。
それは、漁船から排出されている冷却水についてです。
この冷却水は毎日大量に海に排出されていますが、これを何かに再利用できないのでしょうか。
また、垂れ流している冷却水は水温を上昇させるなど、海洋水質や生態系に悪影響はないのでしょうか。
もし、再利用できるのであれば、新たなビジネスや環境保護に生かせるのではないかと思うのですが…。
(長崎県・清水次郎さん/仮名・30代)
私は長崎県でまき網漁をしている者です。
毎日漁船に乗り、漁へと出ている中で、ふと疑問に思うことがあります。
それは、漁船から排出されている冷却水についてです。
この冷却水は毎日大量に海に排出されていますが、これを何かに再利用できないのでしょうか。
また、垂れ流している冷却水は水温を上昇させるなど、海洋水質や生態系に悪影響はないのでしょうか。
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武田誠一
東京海洋大学教授
漁船から排水される冷却水の再利用は難しいです。バラスト水による環境汚染は気を付けましょう
漁船から排水されている冷却水ですが、そのままの海水温や加熱もしくは冷却しての利用では採算が合わないのではないでしょうか。
したがって、再利用することは難しいと思います。
冷却水の排水による海洋汚染についても法令などを見ましたが、特段の影響は無さそうです。
ただし、バラスト水(大型船舶が空荷の時に船体を安定させるための重しとして積み込む海水)となると問題があります。
バラスト水を船内に取り込む際、魚やクラゲはこし網を通すためタンクに入り込むことはあまりないのですが、プランクトンや海藻の断片、底生生物や魚類などの幼生や卵などは入り込んでしまいます。
そうした生物が、到着した港でバラスト水とともに放出され、本来その海域に生息していない外来種として生態系を乱すなど、環境に悪影響を及ぼします。
国際的にバラスト水排水規制の動きが高まっており、積み込んだバラスト水に含まれる微生物や細菌を除去することが必要になってきています。