沖縄のマンゴー農家(義父の見習い)です。
贈答用の箱のデザインがとにかくかっこわるい。商品の写真がどーんとあって、書体ももちろんダサいです。
自分は就農前に服飾関係で働いていたので、ますます納得がいきません。
とは言え、義父には言いにくいので(もしかしてこだわりがあるのかも)、ダサいまま使用しています…。
でもいつかは、箱のデザインもちょっと都会的でおしゃれな感じにしたいと考えています。
オリジナルのものを作るとしたら、どのくらいの費用がかかるのでしょうか?
(沖縄県・富田真人さん/仮名・40代)
本多英二
aula brand design(アウラブランドデザイン)
パッケージデザインには最低100万円。しかし、売価や販路の見直しには好都合です
かなり不満が鬱積(うっせき)されているご様子、お察し致します。変化を嫌う古参は「このままで何が悪い?」と言い、そんな古参に対して「このままで良いのか?」とイライラする若手との対立構図はもはや部会名物。
そして若手は組織を飛び出して自分のブランドを立ち上げる……。良くある話です。さて、本題に移りましょう。
まず、箱の「ダサさ」について。古参の問題意識の低さと新しい試みを聞き入れない硬直した体質ももちろんあると思いますが、金銭的な問題も大きいと思います。
パッケージのデザインを変えたところで売り上げが増える保証は無いので、今のままでいいじゃないかという訳です。
心理的側面から見てみますと、相談者さんに「売れないからダサく見える」という意識もあるのかも知れません。
もし、部会が作った「ダサい」箱でも、マンゴー自体の美味しさが評価されて売れ行きも好調なら、そこまでデザインにこだわらないのでは?
しかし、御社のブランディング(ブランドをつくる)のためにもパッケージデザインの更新には意義があるでしょう。
肝心のパッケージデザインの費用ですが、真っ当なデザイナーに依頼した場合、プランニング&パッケージデザインに少なく見積もっても100万円は掛かることを覚悟しておいてください。開発期間は最速で3カ月。これに箱の印刷代を加えるとかなりの出費です。
しかし、結果に責任を負うデザイナーならこの出費(投資)を上回る「利益に繋がる方策」を考えたうえでのリニューアルプランを提案してくれるはずです。
パッケージデザインの更新は、売価や販路の見直しにも好都合です。ネット通販に最適化した商売の仕組み作りも加味した「投資額の回収案」も考える機会となります。
そのためも、デザインの更新を金銭的効果に結びつけなくてはなりません。パッケージデザイン単体で考えるのでは無く、商売全体の中でパッケージにどのような仕事をさせ売り上げ増に結びつけるかといった戦略が重要だと考えます。
その場限りの浪費になるか将来への投資に繋がるか、運命の分かれ道は「誰に頼むか」です。もしオリジナルパッケージ制作やブランディングをお考えなら人選は慎重になさってください。