農業では乾燥野菜やドライフルーツ、干しシイタケなどをつくるために食品乾燥機が使われているようで、地元の直売所でも農家のお母さんたちがつくった商品が販売されています。
知り合いの農家さんに聞いたところ、乾燥機は個人でも導入できる比較的安いものが出回っているようですが、こうした食品乾燥機を使って魚の干物ができないものかと考えています。
魚の場合だと、開いたり、おろしたりした後に塩水に漬け込んでから乾燥させますが、温度や乾燥時間の設定が難しく、通常の食品乾燥機ではそのあたりの調整が難しいようです。
できれば魚の干物に特化した乾燥機があれば欲しいのですが、そのような乾燥機はありますか?
新聞で、宮崎の漁協で干物製造用の乾燥機を設置して、地元で未利用だった地魚を「ソフト干物」として売り出しているという記事を見ましたが、取り上げられていた乾燥機は魚の干物に特化したような感じでした。
宮崎の漁協のように、未利用資源の地魚まで干物にして売り出せるとしたら、有効活用になるばかりでなく、収入アップにもつながるので、ぜひ取り組んでみたいです。
(山口県・河村順子さん/仮名・50代)
有限会社 藤田水産
有限会社 藤田水産
魚の干物づくりなら冷風乾燥機がおすすめです
弊社では100年以上もの間、瀬戸内海の漁業と水産加工に携わっていて、瀬戸内のいりこやちりめん、干しエビ、真鯛やカマス、サヨリ、アジ、シタビラメなどの干物など、古くから干物も広く取り扱っております。
天日干しでも干物を作ることは可能ですが、一度に大量に乾燥できる反面、ハエなどの虫がついてしまうなど、衛生管理の問題や天候に左右されやすい問題があります。
また、品質が安定しない等の欠点もあります。
そこで、弊社では冷風を使った食品乾燥機を使用して干物づくりをしております。
食品乾燥機には温風(外気+20℃)を使った乾燥機もあり、短時間で干すことができて大量生産できますが、外気温が高い季節には温度が高いために表面が変質しやすく、見栄えもよくありません。
一方、冷風を使った方法では、18〜40℃という低く安定した温度で、除湿した空気を乾燥室内で循環させ、水分の蒸発を促します。
季節や天候に左右されることもなく、衛生的にも優れているなどの利点があり、仕上がりも天日乾燥や温風乾燥法に比べるとよいため、魚の干物づくりでは最も広く利用されています。
弊社ではユニマック社の冷風乾燥機を使用しておりますが、10年ほど前に操業停止し、その後はその技術を継承する企業に保守管理などの対応をしていただいています。