北海道で大豆の栽培をしています。
連作障害防止のため、ローテーションでいくつかの畑を休耕畑にしています。
畑の面積が広大だということももちろんあるのですが、最近、妻が体調を崩してしまい、ほぼ全ての作業を私ひとりで行っています。
休耕畑には収穫する作物がないので、収入のない畑ですが、だからと言ってほったらかしておくわけにもいきません。
翌年に向けて地力を落とさないように除草や草刈りは行わなければならず、これまでは妻と分担して作業をしていましたが、一人で行うには負担が大きく体力的にもしんどさを痛感しています。
私も還暦を過ぎて年齢も年齢なので、できる限り負担を少なくして休耕畑を管理する方法はないでしょうか。
いい方法がありましたら、教えていただきたいです。ぜひ、よろしくお願いします。
(北海道・寺田道昭さん/仮名・60代)
京都丹波もん
京都丹波もん
コストをかけず休耕を乗り切る方法をご紹介します
圃場管理、お疲れ様です。
京都・南丹市で、米や穀物、野菜、養鶏などの若手農家が集まる「京都丹波もん」を運営しております堤農園の堤博明です。
コストを考えなければ、最低限の負担で休耕田の地力を維持する方法はたくさんあります。
ご相談者さまは現在ほぼお一人で作業されているとのことですので、労力的にもコスト的にもできるだけ抑えた方法をご紹介したいと思います。
まず一つ目は堆肥を利用することです。完熟や生ではなく、中熟堆肥がおすすめです。
発酵過程などにより品質に差が出ることはありますが、お近くで良い堆肥が手に入るか調べてみてはいかがでしょうか。
堆肥を使う際には、耕す前に腐植酸資材を散布すると良いです。
私は牛糞堆肥を使っており、耕耘前にエンザイム株式会社のハイパーカーボン腐植液を2000倍に希釈したものを散布しています。
こうすることで、微生物が増えて地力がアップします。
上記の方法で休耕した農地で大豆や枝豆を作っていますが、連作障害も起きていませんよ。
緑肥作物を植える方法も、負担を減らすには有効です。
緑肥にも色々とありますが、私は「大麦てまいらず」を播種しています。
山川 理
山川アグリコンサルツ代表、農学博士
除草剤の多用は土にダメージが。マルチカバーや緑肥を賢く使おう
休耕畑の手入れは大変なので、つい手軽な除草剤を散布してしまいますよね。
しかし、休耕のたびに除草剤を使用しているとむき出しの裸土状態になり、表土の流出や有機物の分解が進んで土の栄養を蓄える力が衰えてしまいます。
小さい畑であれば、除草剤の代わりにマルチカバーを利用してみると良いと思います。
広い農地ではそういうわけにはいかないので、カバークロップ(緑肥作物)を使うと次の栽培時期に向けて土に力をつけることができるのでおすすめですよ。
緑肥作物による線虫などの増加が気になる場合は、クロタラリアやエンバクを利用してはいかがでしょうか。
休耕中の管理の手間も軽減できますので、畑の面積に合わせて取り入れてみてください。