数年前に、交流会で現在の夫と出逢いました。夫は北海道の畜産農家、私は関東のサラリーマンの家庭に育ったのですが、お互いの趣味にも共通点があり、意気投合して結婚。
友人たちからは「環境が違いすぎるよ」とか「畜産は大変だよ」などと言われましたが、企業勤めにも限界を感じていたところだったし、北海道という土地にも魅力があり、夫と二人で頑張りたいと思い、結婚。移住することにしたのです。
ところが最近、友人たちの言葉が正しかったのではないかと思うようになりました。
嫁にきたのだから、農作業を手伝うのは当たり前。さらに、炊事洗濯などは嫁の仕事だと言われるし…。
大げさに言えば「それって男尊女卑じゃないの?!」と思うことが多いのです。
夫は、時間があれば家事を手伝ってくれるときもありますが、青年部の寄り合いや勉強会、町会の集まりや行事など、畜産の仕事以外のことも多く、暇が無いのが実情です。
夫と腹を割って話し合いたい、でも、私自身も慣れない家業の手伝いと家事の両立でいっぱいいっぱいで。やはり環境が違いすぎるのでしょうか?
移住前は、2人だけの家に2人だけで住むつもりでしたが、ご近所さんから「家があるのに何で?」とか「親を大切にしていない」などと言われ、義理の両親の家に同居することになってしまいました。
このままでは夫婦生活も破綻してしまうのではないかと感じています。この状況をどう打開すればよいのでしょうか?
(北海道・佐藤さん/仮名・30代)
野澤みゆき
あぐりマッチ 婚活アドバイザー
まずは話し合いを。それが無理なら一度離れて客観的に見つめ直して
結婚前に、旦那さんとあまり話し合いをせずに結婚してしまったのではないでしょうか。厳しく言うと、そこは、ご本人の責任でもあり、甘かった点でもあると思います。
まずは、旦那さんと両親に話し合いをするよう求めてみましょう。それでも取り合わないような旦那さんと両親なのであれば、このまま暮らすことは難しいのではないでしょうか。
このまま我慢しても、心身消耗して病気になりかねませんし「お嫁さん」としてそこで暮らしていても、自分の人生が楽しいと思えるでしょうか?いくら忙しくとも、夫婦で話し合い、協力していけるのなら、大変な時期も乗り越えられるとは思いますが。
「話し合いをしたい」と訴えかけても相手にしてもらえなければ、「離婚」などの手続きは後にして、一時的に、ご本人のご実家や、ご友人の家などに身を寄せ、物理的に離れてみてはいかがでしょうか?
落ち着いて、自分の気持ちをリセットして、客観的に自分の置かれている立場や状況を見つめ直してみることが必要だと思います。
思い切った行動を取ることは、大変な労力ですが、何もしないとこのまま流されていくような気がします。
自分自身の人生ですよ。もっと、ご自身のことを大切にして欲しいです。
農業女子プロジェクト
農林水産省
1人で抱え込まずに仲間に相談しましょう。視野を広げることも大切です
まず、人間の考えはすぐに変えられるものではありません。残念ながら、旦那様を含めて農村では、特に女性の役割分担について、性別による固定的な「悪割分担意識」が強く残っています。
そんな中で、打開策とまでは言えませんが、私の場合は「自分がありたい姿をイメージする」そして「そのイメージに向けて「今できること」をしていく」ということに努めていました。
ほかにも、自分の楽しいことや今の身の回りの環境の素晴らしい部分を探し、それをSNSなどで発信してみると、それに気付いて褒めてくれたり、羨ましいと言ってくれる方々も出てきました。
「自分のいる環境は悪いところばかりではなく、素敵な部分もある」と考えるようにすると、視界が開けることもあるものです。
1人で抱え込むのではなく、地域内外で仲間を見つけたり、相談することで、少しでも心が晴れることもあると思います。ご自分に合った方法を検討してみてください。