京都府で農家をしていますが、元はJA出身のサラリーマンで、定年してから年金と農業で食べています。
さまざまな野菜や穀物を育てているのですが、最近は露地栽培している九条ネギの生育が良くありません。
肥料も農薬も適正な量与えているのですが、株ひとつあたりの本数がどうしても少なくなってしまいます。
例年ですと、1株あたり手の平で掴みきれないほどの本数になるのですが、最近は簡単に握りこめてしまうくらいしかできません。
ここ10年間、栽培方法や施肥設計、農薬散布回数はずっと変えていません。雑草などの防除も完璧に行っています。
こういった状況なのですが、九条ネギの株あたりの本数を増やすには、何か方法がなにかないでしょうか。
(京都府・村上さん/仮名・70代)
こと京都株式会社 農産部
こと京都株式会社 農産部
九条ネギの1株当たりの本数を増やすには、種を撒く段階で、落とす種の数を増やしましょう
1株当たりの本数を増やすには、まずは種を撒く段階で、落とす種の数を増やすことが挙げられます。
他には干し苗の植える本数を増やす(弊社では1穴に3~5本)方法もあります。
干し苗を植える際、ねぎは高温・乾燥などのストレスがあると、分けつしやすいのでしっかり干してカラカラにするのが良いと思います。
弊社の2021年の事例では、カットしたタイミングで増え方に変化が見られました。
7月にカットしたものは分けつして増えました。
9月もギリギリ増えていました。
10月だと増えていませんでした。
また、株あたり本数の点に限らず、肥料を適量与えたのに生育が芳しくなかったとのことですが、2021年は特に7~8月は気温が高く、9月後半~10月は雨が少なかったのでカット後の追肥とあわせて灌注も必要でした。
我々の畑でも、9月後半~10月にカットして追肥したものの灌注が遅かったため生育も遅かったです。
昨年に関して言えば水分不足で十分に肥料を吸収できなかったことが原因だったように思います。
「ここ10年間施肥設計は変えていない」という点も生育が芳しくなかった原因かもしれません。
輪作されていなかったり、土壌消毒をしていない限り連作障害が発生している可能性があります。
もしそうであれば、マメ科の緑肥を1作はさみ、1年間休ませるか土壌消毒を試してみてください。