山間地で米と野菜を作る農家です。
地域では、後継者がいないことから離農する家も多く、耕作放棄地も増えています。
危機感を募らせた仲間の中で、やる気のある者で話し合いを続けながら、現在組合員数名で集落営農をはじめようと動き出したところです。
いずれは農地を集積して、地域の農業を絶やすことのないようにできればいいのですが。
その話し合いのなかで出てきたことですが、地域の環境保全の取り組みとして「日本型直接支払制度」というものがあるそうですね。
聞くと、普段我々が行っている地域の整備や景観維持などの活動に、補助が出るかもしれないとのこと。
除草はもちろん、あちこちを補修したりなど、地域保全のために当たり前のように行ってきたことです。
今後も続けていくつもりですが、補助があるのとないのとでは、やる気も活動内容も見違えるはずです。
少しだけ調べてみたのですが、情報が断片的で概要がつかめません。要点を簡単に教えてください。
(京都府・幸村さん/仮名・60代)
高田裕司
日本プロ農業総合支援機構(J -PAO)上席コンサルタント
3種類の交付金を柱とする取り組みのことです。 最寄りの市町村や地方農政局へ問い合わせましょう
「日本型直接支払」は、2015年4月に施行された「農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する法律」により定められています。
日本型直接支払は「農村地域の共同活動等を支援することにより、多面的機能の発揮を促進すること」と「担い手に集中した水路・農道等の管理を地域で支えることにより構造改革を後押しすること」を目的としています。
これに基づき、3種の交付金が用意されました。
・「多面的機能支払交付金」(地域共同で行う、多面的機能を支える活動や、地域資源の質的向上を図る活動を支援)」
・「中山間地域等直接支払交付金」(中山間地域等において、農業生産条件の不利を補正することにより、将来に向けて農業生産活動を維持するための活動を支援)
・「環境保全型農業直接支払交付金」(自然環境の保全に資する農業生産活動の実施に伴う追加的コストを支援)
まさに、相談者様が危機感をお持ちの除草や補修、景観維持などの活動に当てはまります。
よって、交付金の対象となります。
ただし、交付金ごとに支援対象農業者の要件や事業要件があります。
具体的な手続きについては、最寄りの市町村にご相談ください。
制度そのものに関しては、最寄りの地方農政局にお問い合わせいただくのがよろしいかと思います。