岩手県でりんご栽培をしている40代です。
子供は2人おりますがどちらも娘で、将来農業を継いでくれるか正直不安です。
上は大学生、下は高校生で、今の段階からどちらかに押し付けることもしたくないので「家のことは気にせず好きなことをしなさい」と本人達には伝えています。
とはいえ、せっかくここまで築いてきた農場と美味しいりんごをなくしてしまうのはもったいないと思い、後継ぎになってくれそうな他人を今から育ててみるのはどうかと考えています。
そこで、一般企業のようなインターンを募り、その後正式に働いてもらうという方法は可能でしょうか。
やる気や相性を重視したいので、いきなり雇用する形は避けたいと思っています。
また、採用後の雇用契約は正社員が一般的だと聞きましたが、法人にする必要はありますか?
気を付けるべきことも教えていただきたいです。
(岩手県・石塚富治さん/仮名・40代)
岸本淳平
公益社団法人 日本農業法人協会
農業インターンシップ事業を利用した就農体験がおすすめです
農業インターン生を募集するなら、日本農業法人協会が運営する農業インターンシップ事業を活用してみてはいかがでしょうか。
学生や社会人の方が全国の農業法人等で短期間(2日以上6週間以内)の就業体験ができる制度として、農林水産省の補助を受けて運営しています。
この事業を活用して就農体験を実施することで、雇用のミスマッチを防ぐほか、さまざまなサポートを受けることができます。
事業上のルールを守っていただけることを前提に、受入農業法人等は個人・法人は問いませんので、是非活用をご検討ください。
また、雇用や法人化などの農業経営に関する様々な課題については、各都道府県に設置されている「農業経営相談所」へ相談することができます。こちらも合わせて検討してみてはいかがでしょうか。
高田裕司
日本プロ農業総合支援機構(J -PAO)上席コンサルタント
最近は農業でも求人サイトでインターンを探す方が増えています
最近は農業分野でも、一般企業と同じように農業求人サイトでインターンを検索・就農する方が増えています。
「日本農業法人協会」は1999年度から農林水産省の補助事業として、農業インターンシップを運営(受託)しています。個人ではなく法人向けのものであり、就業体験(6週間以内)のものです。取組み内容も参考になると思います。
また、現在雇用就農を目指す方々は、労災・雇用保険や健康保険、厚生年金保険が強制適用になる農業法人を望む方が増えている傾向にあります。
個人でもインターン生を募集することはできますが、より多くの希望者とのマッチングを望むなら、農業法人への手続きを行う方が良いかもしれません。
労務管理上気を付けるポイントについては、「やさしい労務管理の手引き」という資料にポイントが記載されていますので、参考にご覧ください。
また、青年等就農計画制度に基づく認定新規就農者には、公的な各種支援制度があります。地元市町村での移住者向け支援などと併せて紹介することも可能ですので、就農したいと思える受け入れ環境作りを行いましょう。